
(前回からのつづき)そしてこれは最も大きなリスクになるかもしれないが、Googleは昨年、Qualcommの最新フラグシップモデルであるSnapdragon 8シリーズのプロセッサーを搭載した。しかし2020年のPixel全モデルではミドルレンジのSnapdragon 7シリーズを使用している。Pixel 4a 5GとPixel 5のプロセッサーはSapdragon765Gだ。Qualcomm標準からするとミドルレンジの中でも上位なことは確かだが、シリーズ8からシリーズ7への移行は、Pixel 4のユーザーにとってPixel 5にアップグレードするきっかけとはならない。
本質的に、プロセッサーテクノロジーが進化しているさなかでPixelシリーズは横ばい状態だ。
AppleのiPhone 12に搭載されるであろうA14 Bionicチップは11TOPS(1秒間に11兆回の演算が可能)だ。765Gは5.5TOPSしかなく、AIパフォーマンスで注目されるようなことはない。他がすべて同等だったとしてもパフォーマンスは50%と大幅に低くなっている。また、A14 Bionicの完全なベンチマークはまだ発表されてはいないが、CPU・GPUともにQualcommの最新版のSnapdragon 865を圧倒することはほぼ確実であり、古い765Gとは比較にならない。
Googleとは異なり、AppleはおそらくiPhone 12に1年前のミッドレンジオプションではなく最新のプロセッサを搭載する。その結果、iPhone SE対Pixel 4aと同様、iPhone 12 miniの方がPixel 4a 5Gより高価で画面が小さいにもかかわらず、要求の厳しいアプリやゲームの実行が大幅に高速化されているために選ばれることになるだろうと考えている。
人々は平均して3年間同じ端末を使い続けるため将来性が特に重要だ。Appleが少なくともGoogleと同じくらい、新しいiOSリリースでiPhoneをサポートし続けることは間違いない。
GoogleがAppleの中央部に新しいPixelの狙いを定めたことが賢明だったかどうかは時が経てばわかるが、結果がどうなろうと、これは来年を見守る興味深い戦いになるだろう。iPhoneほどの販売量を達成していないとしても、iOSに対するAndroidの最大の利点は、iPhoneのように悪名高い利益率を設定せずに、より優れたものも含め、非常に多様な価格帯のデバイスを複数の企業が提供できる点だ。
今年のPixelは単なるミッドレンジのパフォーマンスを備えたAndroid端末ではなく、2020年にAppleが対応する用意のない人々にとって、5Gにアクセスできるようになる可能性がある。それだけでもその存在を正当化できるはずだ。
【via VentureBeat】 @VentureBeat
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