
日常生活で見られるようになった典型的な家庭用ロボット、と言えばやはり血の通っていないあの円盤掃除機だろう。残念だがイノベーションのピークとは到底思えない代物だ。多くのロボット研究者は自動車や軍事用途に焦点を当ててきたが、トヨタ・リサーチ・インスティチュート(TRI)は今週、家庭向けの最新の取り組みを披露した。
確かにVRコントローラを使って人間がロボットに教えるフリートラーニングのような方法は新しいものではない。TRIや他の企業がそういったことをするのは以前にも見たことがある。
ただ、今回の逆さロボットは全くもって初めての経験だった。
TRIの「ガントリーロボット」は天井から降りてきて、食洗機に食器を片付けたり、拭き掃除をしたり、ゴミの片付けなどの作業をやってくれる。TRIの最も革新的なコンセプトだろう。頭上の骨組みに取り付けられているので、ロボットは家具や、形の揃わないモノ、ペット、そしてお家の主人にぶつかるのを避けることができる。
作業が終わると、ロボットは自分自身を畳んで邪魔にならないようにしてくれる。
先月、私はBoston DynamicsのCEO、Robert Playter氏と議論した時にも伝えたが、ロボットはまずキラーアプリ(利便性)の前にモビリティ(移動性)を解決する必要がある。そしてそう、このTRIのデモを見ていたとき私はこのことを考えていた。
ガントリーロボットは確かに真のモビリティは獲得できていない。あらゆる方向に移動することはできる。しかし天井に設置されている部屋に限定されてしまうのだ。この方法だと確かにこれまで無理だった課題を解決してくれたのだが、新しい課題を生み出してしまう。(次につづく)
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