「独身の日」の前哨戦開始、エドテックユニコーン2社の大型調達、淘宝台湾の閉鎖——中国テックシーン・アップデート

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Tmall の Singles Day イベント(天猫双11)でディスプレイに灯りをつける女性
Image credit: TechNode / Cassidy McDonald

中国はすでに、国内最大のショッピングイベント「光棍節(独身の日)」に向けて準備を進めているが、その名の由来となった反バレンタインデーの11月11日はまだ3週間先である。一方、新型コロナウイルス感染拡大がオンライン教育の需要を加速させたことで、中国最大のエドテック企業 Yuanfudao(猿輔導)と Zuoyebang(作業帮)は、それぞれ数億米ドルを調達したと報じられている。Taobao Taiwan(淘宝台湾)は、わずか1年の運営の後、この島に別れを告げる。

「独身の日」に向けて早めのスタート

通常11月11日に1日だけ開催されるショッピングフェスティバルが開催される独身の日だが、今年は2回にわけて販売機会を持つことになると、Alibaba は20日 TechNode(動点科技)に送った声明で伝えた。まず、11月11日に加え、11月1日〜3日にかけ開催される。まず、今年のイベント開始を示すべく、11月1日〜3日の販売のプレセールを21日に開始する。プレセールでは、正式なセールが始まった際に価格を割り引いてもらうため、ユーザは事前にデポジット金(手付金)を支払う必要がある。

独身の日のイベントは数も期間も拡大しており、特に中国政府が新型コロナ後の回復のために国内消費を促進すべく額の投資を行っている時期には、その数も期間も拡大している。

昨年のイベントで急増したライブストリーミングは、今年の中心的な舞台になると予想される。「Taobao Live(淘宝直播)」で3,300万人のフォロワーを持つ「口紅王」こと Li Jiaqi(李佳琦)氏は、主に化粧品を売り歩く姿を中心に、20の夜に7時間のライブストリームセッションで1億6,000万人以上の視聴者を引き寄せた。

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エドテックユニコーンが大金をつかむ

中国のオンライン教育のユニコーン Yuanfudao は、DST Global がリードしたシリーズ G2 で10億米ドルを調達し、他に7~8社の投資会社が参加したと中国メディアの Late Post(晩点)が報じた。このラウンドは、4月に行われた同規模の G ラウンドに続くものだ。このラウンドでの評価額は155億米ドルで、半年前の78億米ドルの2倍近くになったと報じられている。

また、Late Post は、Yuanfudao の競合 Zuoyebang が7億〜8億米ドルの調達ラウンドのクローズ段階にあると、この件に詳しい関係者の話を引用して報じている。報道されたラウンドの投資家には、Fountainvest Partners(方源資本)、ソフトバンク、Sequoia Capital China(紅杉資本)、Tiger Global Management などが含まれる。同様に、このラウンドは、同社が今年6月に7億5,000万米ドルを調達したシリーズ E ラウンドに続くものだ。

投資家は中国のオンライン教育市場、特により有利な K-12 教育業界に群がっていたが、新型コロナウイルスの感染拡大により、学生はロックダウン中に自宅で勉強することを余儀なくされた。

——LatePost(晩点)

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Taobao Taiwan がシャットダウン

イギリス登記の会社 Claddagh Venture Investment(克雷達投資)が運営する EC プラットフォーム「Taobao Taiwan」は、中国をバックにした事業体としての再登記が拒否されたため、2020年末までに閉鎖されることになった。

Claddaghは、「市場における複数の不確実性」を理由に決定したと述べている。同プラットフォームは10月15日に注文の受付を停止し、決済や配送などのサポートサービスを順次終了するという。同社は、これまでに受けた注文を購入者に届けるために、加盟店を支援することを約束した。

台湾当局は、Claddagh が実際には中国本土のテック大手 Alibaba(阿里巴巴)によって支配されていたと述べ、8月に Claddagh に最後通牒を出し、中国資本の会社として再登記するか、台湾を離れるかの判断を求めていた。

Claddagh は、ブランド認証を通じ Alibaba と提携している。Alibaba は Claddagh の株式28.8%を保有する。Alibaba の Claddagh への出資比率は、台湾で事業展開する企業が中国からの投資先とみなされる基準の30%よりも低い。台湾当局は現在も Claddagh を中国からの投資先と見なしており、Taiwan Taobao の運営にあたり、Alibaba に大きく依存しているという。

中国のテック企業は、台湾やそれ以外の国々と高まる政治的緊張の影響をますます感じるようになりつつある。台湾では、iQiyi(愛奇芸)や Tencent(騰訊)といった中国企業が運営する動画配信サービスの販売は8月に禁止された。

——The Paper(澎湃)

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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