iPhone 12 Pro実機レビュー:2年待った、5G iPhoneの結論(7/7)

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iPhone 12 Pro / Image Credit : VentureBeat

結論

(前回からのつづき)最初の5G対応のiPhoneが出るのを2年間待ち望んでいたーーそしてそれは魅力的な5G対応のAndroid機をたくさん見た2年間でもあったーーため、AppleがiPhone 12 Pro で提供されたものに完全に興奮しているわけではない。5Gについては誇大宣伝に包まれているし、それ以外に提供されたユーザー向けの機能はそれほど多くない。

価値のある新しいソフトウェアやサービスを提供できるまで、新しいハードウェアの採用を控えているというAppleの主張を既に一度受け入れている私たちにとって、iPhone 12 Proは、実用的なメリットではなく潜在的なメリットで販売されたAppleデバイスという、また何か違った例のようにも感じる。

長年のiPhoneファンにとってのさらなる大きな懸念点は、Appleがかつての「チック・タック戦略」や「チック・タック・タック戦略」から何か異なる戦略へと移行しているように見えることで、例えこれが「飛躍の年」のiPhoneだったとしても、新しいSamsungのSシリーズのフラッグシップ機ほどの先見の明や破壊力が感じられないということだ。

新しいiPhoneはそれぞれ、以前に最高にヒットした製品を踏襲したもののように見えるが、Appleはそのように単に焼き直しを繰り返せばうまくいくだけでなく、技術的には、毎年数千万台のiPhoneを販売し続けるために大規模な再設計を行う必要もない。それどころか、表面的な形にこだわると内部のハードウェア本来の性能が悪くなる。

5Gネットワーク、Dolby VISION TV、およびLidarスキャナに依存するアプリケーションが進化すれば、iPhone 12 Proはそれらに対応する準備はできているし、ラップトップクラスのアプリについても同様に、6.1インチの画面に効果的に凝縮できるに違いないだろう。 Appleの膨大なユーザーと収益性の高いアプリによるエコシステムは、開発者が素晴らしいアイデアを携え、iOSとこれらの新しいデバイスに群がることを保証している。

iPhone 12 Proの将来の可能性に感謝するだけでは、今回のiPhoneになんとなく失望してしまう気持ちを補うことはできない。手のひらの中、ドック、そしてポケットの中で、私はまだiPhoneをアップグレードする価値があるとは思えていない。

それどころか、より大きなiPhone 12 Pro Maxのために今年の主要なカメラの改良点のいくつかーーセンサーサイズ、ズームレンズ、光学式手ブレ補正のアップグレードーーを先送りするというAppleの決定によって、その思いはさらに悪化した。多くの人と同じように、これらの機能を追加するために、物理的に大きくて高価なiPhoneを受け入れなくてはいけないことには興奮しない。今年は他の多くのスマートフォンでカメラ機能が大きく進化したためなおさらだ。

Appleのビジネスモデルとしてコンスタントな焼き直しは有効かもしれないが、私はiPhoneが新しくリリースされるたびに、Appleがかつてそういう会社として知られていたような破壊的で大きな飛躍により前進するのを切望している。iPhone 12 Proが高性能であるにもかかわらず、あれはもう過ぎ去りし日々なのか、それともAppleよりも飢えて愚かな会社の手中にあるのかと疑いたくなってしまう。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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