低所得者層の意図しない妊娠を遠隔医療で防ぐ「Twentyeight Health」

画像出典:Twentyeight Health 公式ウェブサイト

ピックアップ:Twentyeight Health is a telemedicine company expanding access to women’s health and reproductive care

ニュースサマリー:ニューヨークを拠点とし、女性の健康のための遠隔医療サービスを展開するTwentyeight Healthは10月14日、シードラウンドにて510万ドルの資金調達を実施したと発表した。同ラウンドにはリード投資家としてThird Primeが参加し、Town Hall Ventures、SteelSky Ventures、Aglaé Ventures、GingerBread Capital、Rucker Park Capital、Predictive VCなどのベンチャーキャピタルのほか、Stu Libby氏、Zoe Barry氏、Wan Li Zhu氏などのエンジェル投資家も参加している。同社資金調達総額は660万ドルとなった。

詳細な情報:同社は、元コンサルタントで自身も保険問題で2年間産婦人科の診療が受けられなかった経験を持つ創業者Amy Fan氏が2018年後半にニューヨークにて設立。ゲイツ財団で発展途上国の家族計画、マラリア、HIVなどの医療アクセスの改善を主導していた共同経営者・Bruno Van Tuykom氏と出会い、十分な医療サービスを受けることができない低所得者層の女性に向けた遠隔医療サービスとして設立された。

  • 同社はメディケイド(米国の低所得者に対する公的医療保険制度)加入者や保険に加入していない低所得者層の女性が、十分な医療ケアを受けられない状況を問題視している。人種や所得階層、健康保険の種別に関わらず人々を包括する質の高いリプロダクティブ・ケアを提供することをミッションとして掲げる。同社プレスリリースによると2020年には顧客基盤が5倍に拡大し、これを受けてFan氏はAlleywatchの取材において「私たちのサービスに対するニーズがあることを実感しています」とコメントしている。
  • 同社サービスへの登録は、まずオンラインで問診票に記入し、24時間以内に米国の理事会認定医師がレビューすることで完了する。顧客は100以上のFDA承認ブランドの避妊薬、パッチ、リングなどの中から適したものを1〜3営業日以内に受け取ることができる。また、継続的なケアを行うため、医師とのフォローアップのメッセージは無制限で、処方箋の更新や副作用への対処などについて相談することができる。
  • 同社サービスは現在、フロリダ州、メリーランド州、ニューヨーク州、ニュージャージー州、ノースカロライナ州、ペンシルベニア州で提供されている。今回調達した資金は、米国全土でのサービス拡大を継続するために活用されるという。
画像出典:Twentyeight Health 公式ウェブサイト

背景:同社共同設立者・Tuykom氏はプレスリリースで、「今日、低所得者層の女性は米国の平均的な女性よりも3倍以上意図しない妊娠をする可能性が高く、そのうえ全国の医師の3分の1近くがメディケイドの新規患者を受け入れていない」との声明を発表している。さらにCOVID-19の大流行により対面での医療行為の予約が制限されていることも、この問題を増大させているという。日本においては、内閣府が10月8日の男女共同参画に関する専門調査会で、緊急避妊薬を処方箋なしで購入できるよう検討する方針を打ち出している。

執筆:平理沙子(Risako Taira)/編集:岩切絹代