
(前回からのつづき)消費者向けのMacの変化は、最後に挙げた2つのテクノロジーからもたらされるかもしれない。優れた画像処理エンジンを活用した「FaceTimeカメラ」の搭載がそれだ。
ついにこいつがMacにお目見えすること、それはとりもなおさず、Mac用Face IDセキュアロック解除機能の追加を意味することになるだろう。この機能はパンデミック時代の「マスク」という課題に直面しているが、デスクトップやラップトップマシンでは問題ないはずだ。
そしてもうひとつの潜在的なゲームチェンジャー、それは遅ればせながらの「タッチスクリーン技術」の採用だ。Appleが長い間、Macへの搭載は敬遠していたことで、事実上すべてのWindowsラップトップ(および一部のデスクトップ)はこの点でMacに打ち勝っている。
AppleのSilicon MacはiPhoneやiPadのアプリケーションをネイティブで実行できるようになる。ーーこれはmacOS Big Surにタッチスクリーンからの直接入力をサポートすべき理由であることを示しており、初となるARM Macにはタッチスクリーンハードウェアが搭載されていて、その互換性の可能性をフルに活用できるようになっている可能性が大いにあるのだ。しかしその上で、Appleがまたしてもタッチスクリーン対応のMacを、その点では現代のWindowsマシンに一歩遅れを取ったままにしておくことは十分にあり得ることは付け加えておく。
IntelからARMアーキテクチャへの移行により、Srouji氏が約束したワットあたりのパフォーマンスが向上することは間違いない。一方、Appleは長い間、電力効率の良いチップを謳ってきたが、チップ効率も結果的に薄くて美しいマシンもMacを世界の1位や2位、3位、さらにはAppleの母国でさえもPCの1位、2位、3位に押し上げるには十分ではなかったことは明白なのだ。「Thinnovation(薄さの革命)」という言葉は12年前のMacBook Airのためにはいい戦略だった。しかし昨今のコンピュータを単に小さくしただけで売り上げが上がるのか、それとも足止めを食らったままなのかは定かではない。
Appleの新しいチップは、Macの歴史に新たな扉を開くか、それとも何年も前から提供されてきた基本的な長所と短所を残したままただ前進するだけか、いずれかの機会となるだろう。Apple Siliconがすぐに主要な新機能を可能にするか、それともあまり目立たない内部アップグレードで古いMacのデザインにレトロフィットさせるだけなのか、その辺りも「One More Thing」のイベントの後に分かるだろう。
前者のシナリオでは新しいMacは売れるだろうが、後者のシナリオでは、Apple Silicon MacをIntelのものと差別化するために大量の誇大広告が必要になるかもしれない。
【via VentureBeat】 @VentureBeat
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