完全な自動運転車へ向けてシミュレーションを提供する「Applied Intuition」

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Image Credit :Applied Intuition

ピックアップ:Applied Intuition Reaches $1.25 Billion Valuation In New Funding For Its Autonomous Vehicle Testing Software

ニュースサマリー:自動運転用シミュレーションツールを提供する「Applied Intuition」は、シリーズCにて1億2500万ドルの資金調達を実施したことを発表している。リード投資家にはLux Capital、Andreessen Horowitz、またGeneral Catalystが参加している。今回の調達により同社バリュエーションは12億5000万ドルに達したとされている。

話題のポイント:TeslaやGoogleのWaymoの台頭で、自動運転の話題も日常化してきました。特に最近ではホンダが国交省より自動運転レベル3を取得したことで話題になっています。世界的には無人での自動走行などが実証実験中ですが、量産できるレベルでの認証取得という点で世界的にも大きな一歩となりました。

今回取り上げるApplied Intuitionは、主に自動運転車両を開発する企業内チームに向けてソフトウェア・インフラの環境を提供するスタートアップです。自動運転市場では「シミュレーション」技術の枠組みに入る同社は、2017年に創業したばかりですが、既に現在のラウンドまでで1億7650万ドルの調達に成功しています。

A roadmap to the trends guiding mobility automation in 2019.
Auto &Mobility Trends In 2019/CB Insights

CB Insightsが昨年公開した現段階における自動運転市場の各事業立ち位置をマッピングした「Auto &Mobility Trends In 2019」をみると、シミュレーション事業はマーケットシェア・業界アダプション共に中心に位置していることが分かります。また、実証実験の枠組みの中では最も重要度高く位置していることが分かり業界での需要が多く集まっていることが読み取れます。資料の大まかな要点は以下のようにまとめられています。

  • 完全な自動運転の確立まで、自動車メーカーは人間のドライバーと連携させた方法で技術強化を進めている
  • 運転シミュレーションプラットフォームは、自動運転車の路上テストに伴う時間と手間を大幅に軽減している
  • 自動運転車用のセンサーは、完全な自動運転に不可欠な視界の先を車が理解するのに役立っている

日本に目を向けると、まさにトヨタグループでは自動運転の仮説検証をApplied Intuitionのシミュレーションを用いて続けています。

冒頭に述べたように、自動運転で第一想起する企業やプロジェクトは限られている印象ですが、マクロ的に市場を見ると今回のシミュレーションツールに加えて様々な要素をカバーする技術が誕生していることが分かります。まだまだ広がりがあるこのテーマにどのようなプレーヤーが生まれてくるのか、引き続き注視したいところです。

共同執筆:「.HUMANS」代表取締役、福家隆

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