英国で6組に1組が直面する不妊治療、雇用主負担のサービスが台頭

ピックアップ:UK Fertility Startup Fertifa Raises a £1M Seed Round Led by Passion Capital

ニュースサマリ:英国で不妊治療を企業(雇用主)向けに提供するFertifaは11月2日、シードラウンドにて100万ポンドの資金を調達したことを発表した。本ラウンドはPassion Capitalが主導し、エンジェル投資家らも参加している。

詳細な情報:同社は2019年8月にロンドンにて設立。Passion CapitalのパートナーでFertifaの取締役に参画したBurbidge氏がTelegraphに寄せたコメントによると、同社は創業者兼CEOのTony Chen氏が自身ら夫妻も不妊治療の経験を経たことから創設された。

  • 同社は英国の企業(雇用主)の従業員向けに、体外受精治療や卵子・精子の凍結などの不妊治療サービスを従業員に提供している。また、ホルモンや精子の検査キットやビデオ相談などのツールを利用して、従業員がCOVID-19流行中も家庭で不妊治療を継続することもできる。現時点で約70万人の英国人従業員にサービスを提供しているという。
  • 同社リリースによると、英国では6組に1組のカップルが直面し、約350万人がこの課題を抱えているという。また、4人に1人の女性が流産を経験し、LGBT+の従業員は全員親になるためのサポートを必要とするなど、不妊治療を必要とするシーンは拡大を続けていると指摘している。
  • 今回調達した資金は、英国とヨーロッパにおけるFertifaの成長を加速させると同時に、プラットフォームを強化し、技術を駆使した革新的なテレヘルスソリューションを展開するために活用される。

背景:Pharmiwebのデータによると、世界の不妊治療サービス市場は2018年の初期推定値2,000万ドルから2026年には推定値4,100万ドルに上昇すると予想されている。こうした流れの中、米国においても雇用主負担の不妊治療がますます一般的になってきており、ProgynyCarrotなどの企業の台頭が、雇用主がこれらの福利厚生を採用することの重要性のアピールにつながっている。

執筆:平理沙子(Risako Taira)/編集:岩切絹代

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