APIで投資サービスを手軽に立ち上げ「Fintech as a Service」の波を掴むDriveWealth

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Image Credit:DriveWealth

コロナの影響で全体的に消費行動は冷え込みました。一方、給付金を使って株式投資に手を出すという需要も掘り起こされたようです。特にトラクションを伸ばしたのが投資アプリ「Robinhood」です。同社は112億ドル価値で2億ドルを8月に調達。2020年6月のDARTs(Daily Average Revenue Trades)は431万ドルであり、同年第2四半期のDARTsが第1四半期比で倍増するという伸びを示しました。

少額投資分野は熱を帯続けていますが、こうした需要を汲み取ろうとしているのがチャレンジャーバンクです。

従来の銀行よりも手数料が安く、使い勝手の良いモバイル体験を提供する彼らにとって、顧客に対して預金を効率的かつ気軽に投資できる体験を提供することは、昨今の市場動向から必須となっています。口座機能と投資サービスを結びつける流れができつつあるのです。

ただ、投資サービスを立ち上げるのはコストがかかります。そこで登場したのが、APIを通じて金融事業者に投資機能を提供するFintech as a Serviceの業態になります。この分野の草分けが「DriveWealth」です。10月27日には5,670万ドルを調達しています。

DriveWealthは事業者が少額投資サービスを立ち上げられるためのAPIを提供しています。提携企業にはRevolutやMoneylionを筆頭とするチャレンジャーバンクの名前が並んでいて、現在153カ国にサービスを提供しており、米国株の取引を世界中に広めています。競合にはY Combinator出身のAlpacaなどが挙げられます。

チャレンジャーバンクが狙う顧客層はZ世代の若者たちです。彼らはクレジットヒストリーを持たないことから、クレジットカードを発行できなかったり、適切な年齢になるまで気軽に銀行サービスにアクセスできない課題意識を持っていました。この課題を解決するために動いているのが、若者向け新興バンク「Current」に代表される企業です。

こうしたスタートアップが率先して投資サービスを提供することで、今後さらに欧米の少額投資市場は拡大することが見込めるはずです。日本とは違い、投資に手を出すハードルの低い海外では、DriveWealthを筆頭とする投資APIの市場はさらに拡大していくと考えられます。

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