ビジョンファンド出資のGetYourGuide、コロナ禍でも約1.3億ドル調達

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ニュースサマリー:ドイツ・ベルリン発のトラベルユニコーン「GetYourGuide」は10月29日、新株予約権付ローンにて約1億3,400万ドルの資金調達を発表している。リード投資家にはプライベート投資ファンドのSearchlight Capital Partnersが参加し、既存投資家のSoftbank Vision Fund、KKR、Temasek Holdingsも同ラウンドに参加している。

話題のポイント:Softbank Vision Fundの群戦略の一角をなすGetYourGuideが、1億ドル規模の資金を新たに調達しました。昨年、Softbank Vision FundがリードしたシリーズEラウンドでは4億8400万ドルを調達し、バリュエーションは優に10億ドルを超える規模と言われていました。Bloombergによれば、評価額は今回のラウンドでも変更はないとされています。

ちなみにパンデミック以降に1億ドルの資金調達を実施したAirbnbは、ラウンドをリードしたSliver Lakeのバリュエーションが180億ドル程度だったと報じられています。Reutersによれば、パンデミックが顕在化する以前の内部評価では260億ドル規模だったそうなので、COVID-19によるトラベル・ホスピタリティースタートアップの一時的なバリュエーション崩れはどうしようもなさそうです。

以前、パリに拠点を置く新しいコンセプトのトラベルスタートアップ「Leavy.co」を取り上げた際などは、2020年はポストAirbnb、つまり新しい形の民泊を起点としたスタートアップが数多く誕生するだろうと考えていました。また、今年2月頃に著名のa16zが公開した「The a16z Marketplace 100」を紹介した際にも、特に「体験」を重要視するこれからの若者世代とトラベルスタートアップの相性の良さを取り上げていました

しかし、この「体験」こそが結果的にCOVID-19によってマイナス要素になってしまったのです。

ただ、このように市場に大きな変化が訪れようとも、しっかりとネットワーク効果を持っていたプラットフォーマーはAirbnbを始め復活の兆しを見せはじめているのも事実です。例えば、a16zのリストにも含まれていたRVのシェアリングマーケットプレイスのOutdoorsyやRVShareなどは、StayHomeが長引くことで逆に需要が高まりつつあるようです。同じ文脈では、キャンピング地のシェアリングマーケットプレイスHipcampも自然との接点需要が高まったことで需要を伸ばしつつあります。

Image Credit : The a16z Marketplace 100

GetYourGuideはといえば、そもそものコンセプトが旅先でのツアーマッチングサイトです。そのため、事実上の渡航規制と大人数を避けるべき風潮のダブルで厳しい状況になっているといえます。同社サイトを見てみると、「Small Group」などを強調し、対応策を練っているようにも見えますが絶対的な利用者数減少は確実に直面している問題でしょう。

確かにインバウンドが戻るのはまだまだ時間がかかりそうではあるものの、新しい旅の在り方としてマイクロツアリズムが提唱され始めています。簡単いえば地域の魅力を改めて知ろうというコンセプトですが、これはそうした視点やサービスがそこまで多くなかっただけでパンデミック以前から潜在的な需要自体は存在していたのではと思います。この辺りはAirbnbの公開されているデータを見ても、やはりマイクロツアリズムは少なくとも現時点でトレンドなのは確かです。

その点でいえばGetYourGuideも、既に持っているグローバルなネットワークを利用してマイクロツアリズム市場をリードする立場に生まれ変わる潜在性があります。一見、パンデミックによりトラベルスタートアップは市場から取り残された感がありますが、逆に今は市場が大幅なアップデート、過去の通例が変化しつつある時期です。「○○版Airbnb」の時代はもう終わり、これからの時代に最適された新しいコンセプトが誕生してくるはずです。