2016年創業、チャレンジャーバンクのJikoは「銀行買収」でショートカットを狙う

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ピックアップ:Jiko raises $40 million to become a most unusual challenger bank

ピックアップ:チャレンジャーバンクの「Jiko」は10月、シリーズAにて総額4000万ドルの資金調達を実施したと発表している。リード投資家にはUpfront Venturesが参加している。同社は2016年創業。今年9月には、ミネソタ州に拠点を置き60年の歴史を持つ中堅銀行「Mid Central National Bank」を買収している。

話題のポイント:例えばChimeなど米国を拠点とするチャレンジャーバンクの多くはFDIC(連邦預金保険機構)の支援を受けた機関と提携して銀行業をはじめます。逆に既にある程度の与信があれば、SquareやSoFiのように国家公認の銀行設立免許を獲得することも珍しくありません。

しかし、今回調達を発表したJikoは今までのフィンテックスタートアップが歩んできた道を全てショートカットした戦略を進めています。上述通り、同社は今年9月に1957年創設のMid Central National Bankを買収しています。もちろん同行はFDICのメンバーです。そのため、結果的にJikoは買収を通じて既存顧客や金融インフラも一挙に手に入れることに成功したのです。

ちなみに、Mid Central National Bankのホームページは「フィンテック」とはかけ離れたレガシーな見た目をしています。

Mid Central National Bankのホームページ

また、同社はまだプロダクトローンチが完了しておらずウェイトリストを募集している状態です。つまり、Jiroはプロダクトローンチよりも前に既存銀行の買収を実施したという今までのチャレンジャーバンクが歩んできたルートとは真逆の一手を踏んでいると言えるでしょう。

モバイルバンク自体の機能としても例えば預金が米国債券(U.S. Treasury Bills)への投資に回されるなどの幾つかの特色を持っています。最近のチャレンジャーバンクの動きと言えば、YottaやStepなど若者世代に特化した枠組みでの登場が増えていました。今後Jikoが正式リリースされ、いかに買収済みの銀行を生かし業界を勝ち抜いていくのかに注目です。

共同執筆:「.HUMANS」代表取締役、福家隆