PayPalが暗号資産本格参入:分散主義とは正反対の入り口(2/2)

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まだ、今じゃない

(前回からのつづき)PayPalで購入する暗号資産は、PayPal以外のプラットフォームへ送金することはできない。とはいえ、同社が「現状」と表記しているように将来的には変化する可能性はあると言える。

Q:PayPalは暗号資産のP2P取引を開放する予定はありますか?

A:現状対応していません。PayPalでは、PayPalアカウントを利用した暗号資産売買のみ対応しています。P2P取引を実行するには、暗号資産を全てUSDに変換する必要があります。

Q:暗号資産を加盟店への支払いとして利用できますか?

A:いいえ。現状ユーザーは暗号資産を支払い用途に用いることはできませんが、2021年を目途に対応を進めています。暗号資産は現状、売買・保有にPayPalでは機能が限定されています。加盟店への支払いやP2P取引を希望される場合は、全ての暗号資産を一度に交換いただく必要があります。

おそらく同社は規制やセキュリティー上の懸念から、慎重な対応を進めているのだろう。

2021年に向けて

しかし、いくらPayPalが分散主義とは正反対の入り口から暗号資産市場に参入したとはいえ、市場にとっては大きなムーブメントとなることは間違いない。PayPalは今までにも金融市場に大きな影響を与えてきた。例えば同社は、Facebookが組織したプロジェクトLibraを最初に脱退したメンバーだった。それに引き続き、eBay, Stripe, Mastercard, Visa, Mercado Pagoが脱退を表明した

PayPalが本格的に暗号資産市場に参入を表明したことで、上述したような企業が引き続き動きを見せる可能性はあると言えるだろう。もちろん、全ての銀行がビットコインをいきなり受け入れたり、クレジットカードの支払いをイーサリアムで行うなどが実現するという意味ではない。しかし、あらゆる金融企業が2021年に向け施策を準備していることは間違いない。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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