
(前回からのつづき)今回のターゲットユーザーは「バーチャルセレビリティ」でした。所謂キズナアイのようなバーチャルで活動する有名人のことです。YoutubeやBilibiliで動画投稿とライブ配信するVtuberだけでなく、TikTokやInstagramでインフルエンサーを務めるImma、Binxieもバーチャルセレビリティの括りです。
年々登録者が増すにつれて視聴時間も増加し、2019年には上位20人の視聴時間が2018年の2倍となりました。2020年はカバーが提供するホロライブからYouTube登録者数100万人を超えるライバーが一気に3人も誕生するなど、2019年の成長率を上回るペースで影響力を増しています。
すでに企業に所属して、マネジメントを受けるタレントは2D/3Dキャクターを操作するフェイスモーション技術を提供されているものの、今後ゲーム実況や雑談配信から企画が多様性を増した際、キャラクターが生きる世界にはゲームエンジンが必要不可欠になります。
開発者をプラットフォームごとに最適化する業務から開放し、今後も増えるであろう視聴方法(Oculus、PSVR、iPhone、iPad …etc)に対応し続けていくUnreal EngineかUnityのどちらかがゲームエンジンとして選ばれることになるでしょう。
その時、ウェブカメラだけでリアルタイムな高精度なフェイスモーションキャプチャができて、Discord/OBSなどで利用できる仮想ウェブカメラ機能を実現しているHyprsenseの技術はバーチャルセレビリティはもちろん、バーチャルセレビリティ予備軍にも刺さる要素となり得ます。
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Image Credit:hyprsense
まとめると、現在進行系で拡大を続ける「バーチャルタレントが自由を手にするツルハシとなる」これがフェイスモーションキャプチャ技術企業を買収し続けるEpic Gamesの目論見かなというのが筆者の考えです。
コンソールやPCでプレイすることを前提とし、視覚的に豊かなゲームに最適である一方、重く、使う人を選ぶ傾向があるのがUnreal Engineです。モバイルゲームではUnityが主流ではありますが、5GやGoogle Stadia/GeForce NOWなどのストリーミングサービスを背景に今後モバイルゲームのビッグタイトルに関わっていくことも十分視野に入れているでしょう。
追い風吹くUnreal Engineが現実と仮想世界の狭間でどんなツールをクリエイターに提供するのか。デジタルツインを始め、単なるゲームを生み出すための物理エンジンから異業種への基盤技術として飛躍しようとするゲームエンジンの動向に今後も目が離せません。
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