SparkLabs Taipeiがアクセラレータ第4期のデモデイを開催、5G技術からヘルスケアまで8チームを披露

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台湾を拠点とするアクセラレータープログラム台湾のアクセラレータ SparkLabs Taipei は、台北で開催されたデモデイイベントで、第4期から卒業したスタートアップ8社を発表した。これらのスタートアップは、金融ブロックチェーンからスマートロジスティックスまで、さまざまな業界から集まった。

SparkLabs Taipei の共同創業者兼マネージングパートナーである Edgar Chiu(邱彥錡)氏は次のように述べている。

2020年の世界経済は、最近のパンデミックの影響を大きく受けており、台湾の起業家にとっては予想外にユニークな足がかりとなっている。

第4期から輩出されたスタートアップが対象とする産業には、テレヘルス、e コマース、5G インフラなどがあり、最近の世界のテクノロジー産業の動向に沿ったものとなっていいる。実際、多くのテクノロジー大手は現在、これらの業界で戦略的なパートナーシップや投資を模索している。

輩出されたスタートアップは以下の通りだ。

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EMQ(安価な越境決済プラットフォーム)

EMQ は、さまざまな市場向けに越境決済ソリューションを提供している。

EMQ は、規制基準に準拠したグローバルな越境決済プラットフォームを構築・運営しており、ワンストップのホスティングサービスを通じて、さまざまな市場における複雑な規制やコンプライアンス基準に準拠しながら、リアルタイムで透明性の高いクロスボーダー決済ソリューションを企業に提供している。 サービス内容は、EC、加盟店決済、調達、送金、貿易決済、給与送金など。

EMQ のネットワークは現在、アジア太平洋、アフリカ、ヨーロッパ、北米の80以上の主要市場で数十億人をカバー。 香港、シンガポール、インドネシア、カナダで金融サービス業のライセンスを取得し、台湾では金融監督委員会のサンドボックスに認定されている。

Pickupp(データドリブン・AI ベースの物流プラットフォーム)

Pickupp は、AI 分析を活用した AI ベースの物流プラットフォームで、企業が物流コストをよりインテリジェントにコントロールしながら、柔軟かつ効率的な物流ソリューションを提供し、多様な配送員とのインターフェースと展開を行い、物流サービスをより柔軟かつ拡張性のあるものにすることを支援する。

例えば、Pickupp の技術は、異なる種類の高密度の注文を分類し、AI による価格予測を行い、適切な販売店を最低の限界コストでマッチングさせることができる。

2017年に香港でスタートした Pickupp は現在、さまざまな E コマース、小売、レストランチェーンにサービスを提供しており、2018年にはシンガポールとマレーシアにも進出し、2020年半ばには台湾での正式な運営を開始し、東南アジア市場全体をターゲットにしつつある。

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OakMega/大橡科技(オムニチャネル向け、メッセンジャー用 CRM ソリューション SaaS)

最近ではメッセンジャーにせよ LINE にせよ、メッセージングソフトに時間をかける人が増えているが、ソーシャルメディアブランド側がこれらのアプリを通じて消費者の姿をイメージするのは簡単なことではない。

OakMega は、メッセージングソフトウェアをベースにした CRM(顧客関係管理)ソリューション。 大企業の CRM 導入を支援し、Salesforce、HubSpot、その他のエコシステムと統合し、完全な消費者データベースを構築し、正確なメッセージプッシュと自動化されたマーケティングモジュールを提供する。 同時に、SaaS やマーケットプレイスのモデルを確立し、中小ブランドが迅速に会員データベースを構築し、顧客との長期的な関係を管理できるよう支援する。

2019年に設立された OakMega は、ゲーム、医薬品、小売など幅広い業界で、台湾と日本の150以上のブランドにサービスを提供している。

Kneron/耐能(エッジ AI ソリューションの設計と開発)

2015年にサンディエゴで設立された Kneron は、AIoT、スマートホーム、スマート監視、セキュリティ、モバイルデバイス、ロボティクス、産業制御のための統合されたソフトウェアとハードウェアのエッジ AI ソリューションの設計と開発に特化。

主に、AI を実行するスマートデバイスの3つの主要な問題——セキュリティ、エネルギー、コストを解決する。Kneron のソリューションは再構成可能で、画像と音声の AI モデルの処理効率を向上させる。同社は2020年の「CB Insights AI トップ100社」に選ばれ、先日、4,000万米ドルを調達し、シリーズ A ラウンドの調達総額は7,300万米ドルに達した。

Tresl/巨数分析(EC データ分析プラットフォーム)

Tresl はデータドリブンマーケティングを簡単にする。LinkedIn のデータサイエンティスト2人によって設立された同社のプロダクト「Segments Analytics」は、EC のインテリジェンスプラットフォームで、ブランドは大企業で使用されているのと同じ分析ツール類に、わずかなコストでアクセスすることができる。

ワンクリックでのセグメンテーション、実用的なレコメンデーション、マーケティング統合により、複雑なデジタルカスタマージャーニーを対象としたステップバイステップのマーケティング最適化を提供、ブランドを支援する。データを収益化するための効果的なステップを踏むことができる。顧客には、ILIA Beauty、BJJ Fanatics、Vejo などがいる。

Aegis Custody/幣護(ブロックチェーン金融サービス)

Aegis Custody はブロックチェーン金融サービス会社で、金融機関や企業の顧客にデジタル資産の取引、管理、保護のための安全でユーザフレンドリーなソリューションを提供することに特化ししている。同社のサービスは、店頭取引(OTC)、仮想通貨ファンド、資産管理、サプライチェーンファイナンスサービスを含むデジタル資産の発行、流通、カストディをカバー。

2020年には、台湾最大のファクタリング会社と提携し、最初のサプライチェーン AR ファイナンス製品(デジタル受益者利益証明書)を立ち上げ販売を始めた。同社は、香港とアメリカの両方の信託ライセンスを保持し、グローバルな市場のリーチを持つ。

TMYTEK/稜研科技(5G インフラストラクチャプロバイダ)

TMYTEK は、5G/B5G 時代のミリメーター波(周波数帯域が30GHz〜300GHzほどの電波)のあらゆる課題を解決するための mmWave トータルソリューションプロバイダ。5Gおよび衛星市場向けに先進的な mmWave フェーズドアレイを構築する。

TMYTEK は、先進のAntenna-in-Package(AiP)技術を用いて5Gおよび衛星市場向けにmmWaveフェーズドアレイを構築しており、ORAN Alliance(米中独日英の通信キャリア5社による業界団体)はTMYTEKをアライアンス貢献者としてリストアップしている。

TMYTEK の XBeamは、出荷前に何十億もの mmWave モジュール、スマートフォン、基地局を検証するための大量生産ラインで OTA テストの問題を解決する。TMYTEKは、研究開発をより効率化するため mmWave ツールも構築している。

PenguinSmart/啓児宝(パーソナライズされたリハビリ治療を可能にするデジタルヘルスケアプラットフォーム)

PenguinSmart は、すべての人にインテリジェントでパーソナライズされたリハビリ治療を可能にする。ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学の卒業生によって設立されたチームは、最新のデータサイエンスと専門的な洞察力を組み合わせ、介護者がリハビリの旅の鍵を握ることができるようにする。

PenguinSmart は、DisruptorDaily の「Disruptive Parenting Companies of 2017 トップ10社」に選ばれた。


2018年に設立された SparkLabs Taipei は、台湾のスタートアップの国際展開や海外のスタートアップの国内市場への参入を支援している。また、大企業や多国籍企業と提携して技術人材を調達し、スタートアップの戦略的投資や買収の可能性を見極めている。

このプログラムは開始以来、4つのバッチを実施し、合計26社のスタートアップに投資している。SparkLabs Taipei の卒業生は、台湾の国家開発基金、日本の NEC キャピタルソリューション、Hive Ventures(蜂行資本)などの投資家から資金を集めている。

台湾は世界的なパンデミックの影響を免れ、その経済効果を享受している。2020年にはプラスの経済成長を記録し、外国企業の台湾への投資が増加しているため、スタートアップのエコシステムが繁栄しつつある。これにより、国際的な資本、人材、デジタル技術のハブとしての地位を確立している。

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