インターネット総合サービスのココン、サイバーセキュリティ事業加速で19.5億円を調達——累積調達額は約60億円に

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Image credit: Cocon

〈8日午後1時更新〉代表の倉富氏へのインタビューを受け、第5〜第8段落を加筆。

インターネット総合サービスのココンは8日、直近のラウンドで19.5億円を調達したことを明らかにした。このラウンドに参加したのは、産業革新投資機構の傘下の認可ファンドである JIC ベンチャー・グロース・インベストメンツ(JIC VGI)、 YJ キャピタル、三菱 UFJ キャピタル、東京理科大イノベーション・キャピタル、ディープコア、千葉道場、大分ベンチャーキャピタル。

YJ キャピタルと千葉道場は、以前のラウンドに続くフォローオンでの出資。今回の調達を受けて、ココンのこれまでの累積調達額は約60億円に達した。同社では約2年前の調達の際や、3年前の調達の際にも、サイバーセキュリティ分野の R&D を加速することを明らかにしていた。今回、JIC VGI の資本参加を受けて、国内のサイバーセキュリティ対策の啓発・強化に向けた取り組みをより一層推進する。

今回リードインベスターを務めた JIC VGI は、産業革新機構(INCJ)の後継組織として発足した産業革新投資機構(JIC)が今年7月、グロースステージにあるスタートアップ向けに立ち上げた1,200億円規模の官民ファンドだ(現在、INCJ は JIC の完全子会社)。8日には JIC VGI からの初めての出資として、ココンに加え、モンスター・ラボ、Quemix、ウフル、アソビュー、iCARE への出資が発表されている

日本政府が提唱する Society 5.0 の取り組みのもと、サイバー空間とフィジカル空間が密接に関わっていく中で、サイバー攻撃によるフィジカル空間への影響が大きくなっており、サプライチェーンにおけるサイバーセキュリティ対策の必要性について議論が高まっている。ココンでは JIC VIC の資本参加により、国内のサイバーセキュリティ対策の啓発・強化に向けた取り組みをより一層推進するとしている。

BRIDGE のインタビューに対し、ココンの創業者で代表取締役の倉富佑也氏は次のように語った。

企業各社の DX が進むにつれ、Web サービスやモバイルといったセキュリティ診断のニーズが伸びてきている。また、発電所や今テクテッドカーなど社会インフラのセキュリティも、当社の事業成長機会になっている。

昨年末(12月末決算で)、連結売上高36億7,000万円を計上したが、このうち約3分の2がセキュリティ関連の売り上げで、複数業態を持つココンのグループの中では、サイバーセキュリティ事業がファーストプライオリティになっている。

ココンの事業は B2B が中心で、サービスの提供形態は SaaS ではないものの、前年度の顧客の8割が今年度もサービスをリピートで購入しており、SaaS プロバイダに近いストック型の事業モデルを構築しているという。こうなると、次に気になるのはココンがいつ上場するかだが、倉富氏は主幹事証券会社と監査法人は選定済としながら、具体的な上場目標時期については言及を避けた。

2013年2月に設立されたココンは、イラストクラウドソーシングの Panda Graphics を事業母体とするインターネット総合サービス企業。2014年6月にはモックス、2015年1月にはオハコと資本提携、2015年5月には音声クラウドソーシングの「Voip!」を事業譲受、2016年3月にはイエラエセキュリティを買収している。

2016年8月にはサイバーセキュリティのコンサルタンシー Lepidum(を買収し完全子会社化する一方、同年9月1日にはイラストクラウドソーシングの「Panda Graphics」と音声クラウドシーシングの「Voip!」の事業部門を分社化し、Panda Graphics 株式会社を設立した(ココンの旧社名と同じ名称だが別法人)。2017年には動作拡大型スーツを開発するスケルトニクスを実質子会社化、2019年にはクリエイティブ制作を行うツードッグスと IDR を完全子会社化した。