なぜGoogleはGebru氏を解雇したのか:問題の根にあるもの(1/9)

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Photo by Deepanker Verma from Pexels

GoogleがTimnit Gebru氏を解雇したことが明らかになってから2週間が経過した。Gebru氏は、AI倫理研究者の中でも世界的に著名であり、顔認識と大規模な言語モデルは社会から阻害されたマイノリティコミュニティにおいて上手く機能しないことを指摘したパイオニアでもある。

Gebru氏を巡る一件は、AI倫理や権力闘争、ビッグテックなどの諸問題が議論されている中で発生した。例を挙げると、Gebru氏が解雇されたのは、NLRB(全米労働審査委員会)が組合組織に関心のある従業員を解雇したとしてGoogleを提訴したのと同じ日であった。また、Gebru氏の解雇は企業内における研究の企業サイドの影響力問題に対して疑問を投げかけた。企業側の自主規制の限界を露呈し、社会全体がBlack Lives Matter運動を巻き起こしているのと並行してテクノロジー企業内における黒人・女性の扱われ方の問題を浮き彫りにした。

VentureBeatが実施したGebru氏とのインタビューで、同氏は解雇された過程を「Disrespectful(失礼な行為)」と表現し、CEOのサンダー・ピチャイ氏が全社に公開したメモを「Dishumanizing(人間性を損なうもの)」と表現している。この諸問題をさらに深く掘り下げるため、VentureBeatではAI、技術政策、法律の各分野の専門家に詳しい話を聞いた。彼らは話の中で、政府や企業、学会全体が変化するべきポリシーの変更や設定手段についても語った。まず、第一前提として彼らはGebru氏を解雇したGoogleの判断は間違いだったと指摘している。

アルゴリズム監査を実施するParityのCEOであるRumman Chowdhury氏は、以前アクセンチュアにてAIのグローバルリーダーとして政府や企業に向けたアドバイスを実施していた。同氏は、今回の事件に対して以下のような見解を示している。

「Googleや、AI業界など誰もが今回の事件の巻き添えをくらったと思います。彼らが本当に成し遂げたいことをきちんと理解しているのかという問題を露呈したと思います。なぜなら、その観点をきちんと理解していればこのようなことは起きなかったからです」。

(次につづく)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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