2020年の世界フィンテック・スタートアップ・エコシステム・ランキングが発表——東京は26位タイ

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Image credit: Startup Genome

世界のスタートアップ・エコシステムをモニターする Startup Genome は先ごろ、「Global FinTech Startup Ecosystem Report」の2020年版を公開した。Startup Genome はこれまでにも「Global Startup Ecosystem Report」を公開してきたが、フィンテックに特化したものとしては今回が初めて。

このレポートの中で関心を集めるのが、世界中のスタートアップ・エコシステムの情報をランキングしたコンポーネント・インデックスだ。このインデックスは、パフォーマンス、ファンディング (資金調達)、タレント(人材)、フォーカス、レガシーの5つの主要なコンポーネントの評価を数値化しランキングしたものだ。

シリコンバレー、ニューヨーク、ロンドンが上位3位を独占するも、以下、シンガポール、北京、上海、香港などアジア主要都市もトップ10入りした。東京は26位タイで、パフォーマンス、ファンディング、タレント、フォーカスに比べ、レガシーのスコアが突出しているのが目立つ。フィンテックそのものより、従来型金融機関のフィンテックへの関与が大きく反映された結果だ。

Statup Genome が今夏発表した、2020年の世界スタートアップ・エコシステム・ランキング(バーティカル横断包括)では、東京は世界15位だった。

Image credit: Startup Genome

このレポートによれrば、世界的に見てフィンテックスタートアップのアーリーステージの資金調達は鈍化しているものの、シリーズ B+ 以降については好調である。一般的にフィンテックは収益性確保のために多額の資金が必要となるため、バリュエーションが高く、〝勝ち組〟に多額の資金が一極集中する傾向にあるが、これが今まで以上に際立った形だとなった。

Kantar のレポート「Future Finance」によると、2019年にデジタル専業チャレンジャーバンク(ネオバンク)で銀行を利用した消費者は、イギリス、ドイツ、フランスでは1~3%に過ぎず(中国では93%だった)、その結果、ヨーロッパや北米の多くのフィンテック、特にネオバンクにとっては、収益化への道のりは険しいものとなっている。

フィンテック業界は金融サービスの再統合に期待を寄せており、この新しいモデルに移行するために必要な規模を求めて複数の企業が参入・競争しているため、ユニコーンの数は着実に増加。また、アーリーステージの資金調達の多くは、Truelayer や Thought Machine のような、金融と非金融の両方のプレーヤー向けのサービスをバンドルできる B2B 企業によるものだ。

Global FinTech Startup Ecosystem Report 2020 は、ここから閲覧するか、ここからダウンロードできる。

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