Qualcomm新チップ Snapdragon 888:画像の改ざんを防止する暗号データを独自に付与(3/3)

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(前回からのつづき)ここまでの改善点だけではまだ十分に意義あるものといえないだろうか。Snapdragon 888では小型化されたAIコア(Sensing Hub)も、第2世代で大幅に機能が向上している。 TensorFlow LiteではなくTensorFlow Microで処理を実行し、パフォーマンスは5倍に向上、以前はHexagon AIシステムによって処理されていたタスクの80%がオフロードできる。

AIアシスタントを起動させるための常時持ち運び検知やスクリーンの復帰、環境音検出を可能にするほか、自動車事故や地震など特定の動作検知をサポートし、5G、Wi-Fi、Bluetooth、位置情報データのストリーム処理などを低電力消費下でモニタリングする。

Snapdragon 888は、TruepicContent Authenticity Initiativeの両方をネイティブにサポートする最初のチップでもある。これは、写真の信憑性と信頼性を確保するための業界を超えたコラボレーションだ。このチップは写真に暗号データを付与することが可能で、撮影後に画像が編集されていないことを独自に証明できる。

今年のCPUとGPUの改善は些細なことではないが、AIやカメラの改善と比べると、以前からあるものをストレートに進化させたものといえる。 2.84GHz ARM Cortex X-1が1コア、2.4GHz Cortex-A78が3コア、そして1.8GHz Cortex-A55 4コアで構成された5ナノメートルプロセス採用のCPU、Kryo 680 からは25%の性能向上と25%の電力効率改善の恩恵が受けられる。

GPUのAdreno 660はグラフィックスレンダリング性能が35%向上、電力効率は特にARM Maliシリーズのコアを使用せずに(AdrenosはQualcom独自に開発したグラフィックスIP)20%改善し、Snapdragonは前年比での性能向上率が過去最大であると謳っている。660はさらに、可変レートシェーディングや、最大144fpsのフレームレート、10%から20%の範囲でのタッチレスポンスの向上も提供する。

現在はOEM機で試験的に使用されており、Snapdragon 888の搭載されたスマートフォンは2021年の第1四半期に発売開始予定だ。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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