Saleforce、Slack買収:彼らが「高値買い」した理由(2/4)

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Image Credit : Slack

SaleforceがSlackを「高値買い」した理由

(前回からのつづき)Salesforceは、直近のSlackのバリュエーションを10%上回る形で入札を行ったが、実際Slack買収の話が出てくる以前の評価額で比較すれば60%以上の高値で取引を完了したことになる。Slackの株主はSalesforceの買収が完了すれば、1株当たり26.79ドルのキャッシュとSalesforceの株式0.0776株を手に入れることになる。これは、11月30日時点でのSalesforceの企業価値277億ドルに相当するものだ。

両者の取引は2021年後半に当たる2022年度第2四半期に完了すると見込まれており、現在のSlackにおけるCEOを務めるStewart Butterfield氏がSaleforce内部にてオペレーティングユニットを率いることなる。

SaleforceとSlackは長い間良好な関係を築いてきた。数年前から両者の製品は統合され、2つのプラットフォーム上でデータのやり取りがしやすい設計が施されてきた。実際、Saleforceは自社が運営する企業向けソーシャルプラットフォームChatterを運営しているものの、これはセールスに特化した機能であり、未だメジャーとは言えない状況だ。Saleforceでは既にChatterとSlackの間でメッセージが共有可能な機能を提供しているが、まだ一般的に認知されるレベルにまでは至っていない。

しかし、Slackを買収したことで、Saleforceは企業内部のコラボレーションツールへ直接的に関わることが可能となり、同社プロダクトを効率的に関係性を持たせていくことが可能となる。Saleforceによれば、SlackはSaleforce Customer 360の新しいインターフェースになり、全てのSaleforce Cloudに統合され、ユーザーが顧客情報を交換、コラボレーションし行動に移す中心の場となるだろうと説明している。

Slackは、Slack Connectをつい最近発表しており、1つのチャンネルで最大20の組織がコミュニケーションを取ることが可能な機能となっている。これはまさに、Saleforceが今後力を入れて目指していく機能なのだろう。(次につづく)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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