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Xpeng(小鵬)が出資する自動運転スタートアップ WeRide(文遠知行)が、中国最大手の電気バスメーカー Yutong(宇通客車)から2億米ドルの新規資金調達を行ったと12月23日に発表した。また、両社はドライバー用の運転装置を備えていない完全自動運転のミニバスの開発も発表した。
重要視すべき理由:複数の中国の自動車メーカーが中国の自動運転車産業に参入し、地方政府が世界中を巻き込んだ技術的優位性の争いに追いつこうと公道での自動運転を許可している。そんな中で、今回の資金調達が発表された。
- 中国政府は、10月下旬に発表したインテリジェント電気自動車に関する最終的な青写真の中で、2025年までに「高度な自動運転車を大規模に導入する」という目標を再確認している。
詳細:23日に発表された共同声明によると、Yutong は単独のシリーズ B1 投資で WeRide に2億ドルを出資した。河南省中央部に拠点を置く Yutong は、中国最大の中大型電気バスメーカーで、国内市場で3分の1以上のシェアを持ち、BYD(比亜迪)や Dongfeng Motors(東風汽車)などがこれに続いている。
- WeRide は、ハンドルもアクセルもブレーキもない自律型ミニバスを Yutong と共同開発したと発表したが、詳細を明らかにしていない。、
- 広州を拠点とする同社は、その評価額やシリーズ B ラウンドに関与する他の投資家の詳細を明らかにしなかった。
背景:WeRide は7月から広州の公道で完全な無人車両のテストを行っている。完全な無人車両を公道でテストするのは、アメリカの Waymo に次いで世界で2社目となる。
- 同社は2018年12月シリーズ A ラウンドで、中国の人工知能ユニコーン Sensetime(商湯)、Xpeng CEO のHe Xiaopeng(何小鵬)氏らに加え、ルノー・日産・三菱アライアンスから資金調達を実施した。調達金額は非開示。
- WeRide は11月の時点で、郊外の55平方マイル(約142.4平方キロメートル)のエリアで行われたロボタクシーのパイロットプログラムで、6万人の乗客に14万7,000回以上の乗車を提供したという。
- WeRide の競合 Pony.aiPony.ai(小馬智行)は先月、国有の FAW Group(第一汽車集団)から資金調達した。調達金額は非開示。この際、これは中国の国有自動車メーカーによる自動運転車への初の賭けだと発表していた。
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