毎日の支払いを環境に役立てる「Aspiration」、アイアンマンのRobert Downey Jr.氏ら出資

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ピックアップ:An Iron Man goes Green: Robert Downey Jr. launches ESG-focused venture capital funds

ニュースサマリー:フィンテック・スタートアップ「Aspiration」は5,000万ドルの資金を獲得したことを発表している。リード投資家としてFootprint Coalition Venturesが参加している。

話題のポイント:今回投資家として参加したFootprintは、アイアンマンで有名な俳優、Robert Downey Jr.氏が設立した、ESG(Environmental, social and corporate governance)投資にフォーカスしたファンドです。Aspirationに対する案件が最初のプロジェクトとなっています。Aspirationは金融と環境問題を繋ぐ「Green Financial Services」というコンセプトに挑戦するフィンテック・スタートアップです。

アカウントを開設するとクレジットカードが発行され、一般的な支払いに利用ができます。iOSとAndroidアプリが用意されていて、支出管理など一般的なモバイルバンクと同様のサービスが受けられます。もちろんこれだけではありふれたサーヒスなのですが、やはり特徴的なのは金融を環境に繋げようとしている点でしょう。

例えば環境保全に協力しAspirationとパートナーシップを結んでいる店舗での支払いであれば10%のキャッシュバックがされる仕組みなどがあります。その他にも、他のモバイルバンクと同じように10ドル以下の小額からESGに特化したファンドへの投資ができるサービスを提供しています。

サービスは無料のものと、ESG関連のベネフィットが受けられる月額15ドルの課金のものが用意されています。有料機能のひとつに「Planet Protection」という機能があり、ガソリンの購入をAspirationのカードで決済すると、その二酸化炭素排出量を相殺するだけの森林保全事業をAspirationが勝手にやってくれます。ややもすると遠くなりがちなESGの活動も、まずは身近なところからコミットすることが重要です。

今までのクレジットカードは、個人の信用(クレジットスコア)を基に特定のオファーや利用限度額が割り振られていました。しかしAspirationでは、新しい概念として「Impact Score」というものを採用し、どれだけ環境保全にコミットしているかで評価されるような経済圏を作ろうとしています。同社によれば、これまで300万を超える植樹を達成しているとのことです。

あらゆる形でモバイルバンクが誕生してきていますが、Aspirationのようなアプローチも興味深いです。

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