紛失トラッカー「Tile」がAR活用報道、より精細な紛失場所を確認可能に

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Image Credit:Tile

忘れ物トラッキングタグ「Tile」が、新製品の開発を進めていると報道されました。新製品は従来型のBluetoothを通じたものではなく、UWB(ウルトラワイドバンド)を採用したものになるそうです。加えて拡張現実機能を使い、紛失物の位置まで誘導する機能を実装すると予想されています。

UWBの強みは空間と方向データも取得できる点です。例えばビルやマンションの具体的にどの階で失くしてしまったのかを確認できるようになります。これまで2Dマップ上から紛失トラッカーを検索する体験から、3Dマップや空間から検索する体験へと変わるでしょう。ARを活用した空間機能の開発は、Appleが社運を賭けて進めている領域でもあります。事実、Appleは昨年のkeynoteイベントで空間オーディオ機能を発表しました。同社のAirPodsシリーズへの応用が可能です。

なにより、AppleはTileライクな紛失トラッカー「AirTag」の開発を進めているとも言われています。本当にAirTagのリリースが近くされるのであれば、AirPodsとAirTagのコンボ利用は強力なユースケースとなるでしょう。わざわざアプリを開かずとも、Siriを介して伝えられる紛失トラッカーの方向を、AirPods経由で立体的に聴けるといったシーンが考えられるためです。音声だけで完結するガイド機能の実装ができます。

さらに、AppleはARグラスの開発を水面下で進めているとされています。上記は音声を中心としたケースでしたが、次世代グラス端末が普及した時代では、画面上にぱっと紛失物の方向が表示される機能実装も考えられます。これはTileの新製品にあるAR機能をリプレイスするものとなるはずです。中長期的にTileはビッグテックの一角と競合する可能性が高まっていますが、ブランドと市場シェアをどのように守っていくのかに注目が集まります。

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