ドイツ発ローコード対話型AI「Cognigy」、GBから資金調達——アジア太平洋地域でカスタマーサービスDX支援を強化

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Cognigy のチームメンバー。最前列左端が 共同創業者兼 CEO の Philipp Heltewig 氏
Image credit: Cognigy

ドイツ・デュッセルドルフを拠点に対話型 AI 製品「Cognigy」を開発する Cognigy は、グローバル・ブレインから資金調達していたことを明らかにしたCrunchbase によれば、実施時期は2020年10月頃。調達はシリーズ A のエクステンションラウンドで実施され、本ラウンドに参加する DN Capital、Inventures、Nordic Makers といったヨーロッパ VC 勢に、日本からグローバル・ブレインが加わる。グローバル・ブレイン単体の出資額は不明だが、今回調達を受けて Cognigy の累積調達額は890万ユーロ(11.3億円)に達した。

Cognigy は2016年にドイツで設立され、シリコンバレーにグローバルオフィスを持つ AI スタートアップだ。自然言語処理(NLP)と自然言語理解(NLU)技術を強みに、Amazon Alexa や Google Assistant のような会話や質問によってコミュニケーションや問題解決を行える対話型 AI を開発している。Cognigy を利用する企業には GUI で操作できるエディタが提供され、開発言語を習得したり専任技術者を配置したりせず、現場担当者が簡単にカスタマイズされた対話型 AI サービスを開発できるのが特徴だ。

「Cognigy」のエディタ
Image credit: Cognigy

Cognigy の共同創業者兼 CEO の Philipp Heltewig 氏は、声明の中で次のようにコメントしている。

対話型 AIは、今日、全世界のあらゆる産業において、顧客サービスのデジタルトランスフォーメーションを推進する大きな原動力となっている。今回の資金調達により、Cognigy のグローバル化戦略が加速し、企業の顧客体験の向上を支援すると同時に、業務の効率化を推進し、カスタマーサービス自動化のリーダーとしての地位を強化する。

グローバル・ブレインは今回の出資を受けて、日本をはじめとするアジア大平洋地域への市場参入を支援する。具体的には、グローバル・ブレインのファンドの LP を中心に、大企業などに対し Cognigy の営業リーチの支援を行うとみられる。

東京を拠点とするデータサイエンスに特化したシステムインテグレータであるテクノスデータサイエンス・エンジニアリング(TDSE)は2018年、Cognigy とグローバル販売契約を締結している。TDSE は、自社 AI 製品「scorobo」と Cognigy を連携させることで、欧米各国やアジア太平洋市場への事業を強化することを明らかにしていた。

<参考文献>

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