
Tencent(騰訊)と短編動画アプリ「Kuaishou(快手)」が出資する教育プラットフォーム「Huohua Siwei(火花思維)」は、中国のオンライン教育分野への投資家の関心が高まる中、最新の資金調達を受けて時価総額は15億米ドルに達した。
重要視すべき理由:何百万人が自宅に隔離されることを余儀なくされた新型コロナウイルス感染拡大以来、中国のエドテック市場には巨額の投資が流れ込んでいる。
- 中国の K-12(高校生以下)オンライン教育市場は、2020年に500億人民元(約8,140億円)の投資を受けており、過去10年間の同分野の総投資額を上回っていることが、データインテリジェンス機関 Fast Data の数字で明らかになった。
- K-12の年齢層をターゲットにしたサービスは、新型コロナウイルス感染拡大に伴うロックダウンの間、学生がリモート学習に移行すると、投資家から最も注目されるようになった。
詳細情報:K-12のオンライン数学・科学教育プラットフォームを提供する Huohua Siwei は、シリーズ E3 ラウンドで1億5,000万米ドルを調達した。このラウンドは Trustbridge Partners がリードし、Tencent など既存投資家が参加した、と地元メディアの LatePost(晩点)が報じた。
- このラウンドは、昨年8月の1億5,000万米ドルのシリーズ E1 ラウンド、10月の1億米ドルのシリーズ E2 ラウンドに続くものだ。E1〜E3 ラウンドを合わせると、合計4億米ドルとなる。
- 最新の資金調達ラウンドでは、同社の時価総額15億米ドルとなり、8月の E1 ラウンドの際の時価総額10億ドルと比べ50%増加した。
- LatePost は情報筋の話を引用し、同社が2020年に売上30億人民元(488億円)、利益約15億人民元(244億円)を計上したと伝えた。
- ある情報筋の話として、同社は早ければ、5億米ドルの調達を目指し年内にも実施されっるアメリカでの上場に向けて準備を進めているとブルームバーグが伝えた。この報道によると、Huohua は上場案について、クレディ・スイスやゴールドマン・サックスと協力しているという。
背景:2016年の創業以来、Huohua Siwei は Tencent、Kuaishou、Yuanfudao(猿輔導)などのテック系同業社や、Sequoia Capital China(紅杉資本)、IDG Capital、GGV Capital(紀源資本)などのベンチャーキャピタルから7回の調達ラウンドで合計約6億米ドルを調達している。
- 中国のオンライン教育プラットフォームに対する投資家の関心は、Huohua のような大規模なプラットフォームへの関心が高まっており、この分野では小規模なプレイヤーの機会は少なくなっています。
- 報道によると、中国のエドテックユニコーンである Yuanfudao と Zuoyebang(作業帮)は、累計調達額の8割を直近1年間に調達している。
- 2013年の設立以来、2億米ドルを資金調達した K-12 教育アプリ「Xuebajun(学覇君)」は、債務超過に陥ったと報じられている。地元メディアの報道によると、同社の破綻原因は「1対1(教師1人に対して生徒1人)」のモデルにあるとされ、これはコストが高く規模を拡大するのが難しいと批判されていた。
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