家具はバーチャルに買う時代へ:3Dプレビュー後の返品は8割減に(2/2)

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(前回からのつづき)こういったケースでは、データストーリーは意図的にユーザーの見えないところで行われており、小売業者が提供する膨大なカタログをユーザーにナビゲートしやすくするために色やテクスチャ情報は静かに照合される。たとえば、ブルーミングデールによるMarxentの「写真からデザインする」技術のデモンストレーションでは、2D画像が「3D Shop the Look」機能の基礎となっており、ユーザーは写真から色、オブジェクト、床材を素早くインポートして、同じような外観を自宅の部屋から作成できる。顧客は部屋全体を3Dでプレビューした後に小売業者から直接家具を購入することが可能だ。

現在Marxentの3D Cloudは、寝室、オフィス、キッチン、浴室、屋外の環境まで全体を視覚化することが可能で、このプラットフォームは、Lowe’s、La-Z-Boy、Ashley HomeStoreなどの主要小売店や、キッチンキャビネットメーカーのAmerican Woodmarkのようなカスタムコンポーネントベンダーによっても使用されている。顧客は実空間の新しい家具を3Dで完全にプレビューすることができるため、このプラットフォームを使用している企業の取引額は平均で50%増加し、返品は80%減少、販売サイクルは平均30%短縮されたとMarxentは述べている。

「3D対応販売はすでに新たな成長分野になっています」と、シリーズCラウンドを主導したBellini CapitalのArnie Bellini氏は語る。「新型コロナウィルスは家庭用品のバーチャル販売の需要をさらに加速させており、Marxentはこのバーチャル体験を可能にするテクノロジーリーダーとして認知されています」。

MarxentはBellini氏からの出資を活用して隣接する住宅領域にサービスを拡大し、既存の顧客から要望の高い機能の追加を行い、部屋のデザインのインスピレーションとなるものを統合するためにPinterest以外とも戦略的なパートナーシップを構築すると述べている。フロリダ州セントピーターズバーグとオハイオ州デイトンにあるオフィスに加え、同社はロンドンとパリの事業を拡大して、John LewisやKingfisherなどヨーロッパのクライアントをサポートし、ヨーロッパやその他の市場でさらに成長する計画を立てている。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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