2021年がやってきました。あまりにもいろいろ起きすぎて2020年という年を振り返るのは難しいのですが、それでもやはり変化の年であったことは間違いないと思います。
思えば2010年代はリーマンショックという大きなリセッションの余韻を感じつつ、その翌年に大震災が襲いかかるという衝撃的な幕開けでした。しかし2012年の政権交代、またその翌年のオリンピック決定と、年を重ねる毎に徐々に前を向ける話題が増えていったように記憶しています。スタートアップという視点でもIPOの件数は2010年の22件(※JVCAが公表しているレポートより)から2015年には92件にまで増加し、2018年のラクスル・メルカリ、2019年のBASE、ランサーズ、スペースマーケットといった、この10年のテック・トレンドを象徴するような銘柄が並びました。
そして2020年、その数はさらに拡大し、日本取引所グループのサイトを確認すると2020年の新規上場(予定のものも含む)は114件にジャンプアップしています。2015年の92件を最大に2018年、19年が90件と横ばいでしたので、この2020年をターゲットにしてしっかり仕上げてきたスタートアップが多かったことを思わせる数字だなと思います。
テック銘柄をざっと見返してもクラシファイドのジモティー、スポットでコンサルティングを依頼できるビザスク、デザイン開発をメジャーに引き上げたグッドパッチ、ソーシャルメディアの到来と共にグルメガイドを開始したRetty、ハンドメイドという特化型のコマースを展開したクリーマ、国内の“ノーコード”文化を牽引するヤプリ、マーケティングの世界観を大きく変えたKaizen Platformやプレイド、そして新しい世代の資産運用のアイデアを提案したウェルスナビなどが特に心に残ります。それぞれこの10年で創業し、グローバル・トレンドと言われたシェアやオンデマンド、AI、クラウドなどのテックトレンドを忠実に形にし、そして粘り強く事業化したプレーヤーたちです。
次の10年がどうなるのか、それについては昨年にこのような記事としてまとめました。10年分の予想を書いているので引き続き、その答え合わせは2030年に取っておきたいと思います。改めて今年もこのような企業、起業家たちと出会えることを楽しみにしています。
さて、少し振り返ったところで自分たちの次の1年をどう過ごすのか、BRIDGEとしてのご挨拶も書いておきます。
実は2021年はBRIDGEが運営をPR TIMESに委ねてから3年目の年となります。この2年間で編集部として、スタートアップシーンにどのような貢献ができるのか、ずっと模索を続けてきました。ナラティブなストーリーを紡いで人や企業を繋げる、という取り組みもそのひとつです。2019年に「POST」というプロジェクトで開始し、現在はいくつかの関連するプレーヤーと連携し、特集の枠組みのひとつとして起業家のナラティブな情報を継続的に出せるようになってきました。今後もニュースだけでなく、その事業や人の裏側にあるバックグラウンド・ストーリーを伝えることでスタートアップに新しい繋がりを提供できれば幸いです。

そして今年、2021年はまた新しいチャレンジを計画しています。思えば創業時、私たちのコア・バリューはミートアップでした。StartupDatingという小さな出会いの場所は、少ないながらも起業家と投資家の繋がりを生み出してたように思います。その後、イベント自体は大きくしたり形を変えて勉強会スタイルにするなど試行錯誤を重ねましたが、様々な判断のもと2018年を境にお休みをしていました。
それを今年、本格的に再開いたします。
コロナ禍で私たちは「実際に会う」という価値を再認識しました。同時にバーチャルに出会う可能性についても多くの気づきを得たはずです。BRIDGEが創業時から提供してきた出会いの体験がどのようにアップデートするのか、また近い時期にお知らせできればと思っています。PR TIMESからの年頭所感も合わせてご一読ください。
ということで2021年もBRIDGEをどうぞよろしくお願いいたします。
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