ライブコマース・ソーシャルコマース第2波の到来?——40事業者、ライバー15名を迎え新規参入する「RONGO LIVE」とは

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Image credit: Rongo

日本とそれ以外の市場——2つだけに分けて論じるのもかなり無謀だが——では、ネットサービスやモバイルアプリの流行り方に結構なタイムラグがあることを改めて感じさせられることがある。BRIDGE で音声チャットルームサービス「Clubhouse」を取り上げたのは半年以上前のことだが、日本では今週に入って Clubhouse にブームが到来しているようだ。

このようなタイムラグは、ライブコマース・ソーシャルコマースについても言えるだろう。中国のネット文化に端を発したライブコマースやソーシャルコマースは、お膝元の「Pinduoduo(拼多多)」の台頭はもとより、アメリカでは Amazon や Walmart はそれを強化する方向へ動きつつあるが、日本では、「PinQul」を運営していた Flatt はピボットし、DeNA 系の「Laffy」や Candee の「Live Shop!」ほか、「メルカリチャンネル」「BASEライブ」「ヤフオク!ライブ」らも軒並みサービスを終了してしまった。

<参考文献>

ライブコマースやソーシャルコマースは日本ではオワコンなのか、というと、筆者はそのようには思わない。以前から数々の EC プラットフォームやストアカートがあったけれども、アメリカでは Shopify が、日本では STORES や BASE が中小の新規 EC 参入組を魅了した。言わば、EC プラットフォームにおける、第2か第3の波と定義づけられるかもしれない。そしてまた、ライブコマースやソーシャルコマースの世界においても、同じように第2波が到来しようとしているような気がする。

Blue Rose の通常の EC サイトと、RONGO LIVE による商品販売画面
Image credit: Blue Rose

先週、東京に拠点を置くスタートアップ RONGO は、ライブコマースやソーシャルコマースのためのアプリ「RONGO LIVE」をローンチした( iOS のみ、Android は近日公開予定)。ファッション、化粧品、食料品に加え、有名人のインタビュー配信なども予定しており、すでに40事業者以上、ライバー15名が参加意思を表明しているという。RONGO LIVE の Facebook ページを見てみると、定期的にオンラインイベント開催されているようで、美容皮膚科を紹介する医師のライブ配信などもあって興味深い。

RONGO は、アプリ「RONGO LIVE」のローンチと合わせて、シードラウンドで Shizen Capital から1,835万円を調達したことを明らかにした。Shizen Capital という名前は筆者にとって、そして、おそらく読者にとっても初耳だが、BRIDGE にも時々寄稿してくれる Mark Bivens 氏によるファンドだ。以前は Tachi.ai Ventures という名前で、リコーによる M&A でイグジットを果たした MakeLeaps や兜予報などにも投資している。彼は日欧をまたにかけたスタートアップの事業展開の後押しをビジョンに掲げており、RONGO への出資でも「フランスのファッションやデザインブランド等のネットワークもを活用し事業を支援する」と述べている。

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