「人による」窓口サポートに回帰するモバイルバンクのAlbert

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ピックアップ:U.S. fintech startup Albert raises $100 million

ニュースサマリー:フィンテックスタートアップ「Albert」は、シリーズCにて1億ドルの資金調達を実施したと発表した。リード投資家にはGeneral Atlanticが参加し、Alphabetの独立成長ファンド、Prtag3、CapitalGなども同ラウンドに参加している。2015年創業の同社はこれまでに総額1億7300万ドルの資金調達に成功している。

話題のポイント:Albertの基本的な機能自体は、チャレンジャーバンクの代表格ともいえるChime、Cleo、N26とほぼ変わりありません。モバイルバンクとしての基本機能を提供しつつ、Albert Instantと呼ばれる100ドルを上限とする先払い機能を付属させモダンな銀行体験をデザインしています。加えて同社では支出の状況をダイナミックに分析し、貯蓄を増やす仕組みを導入。ユーザーごとにパーソナライズされた貯蓄目標に応じて的確な支出管理の手助けをしてくれます。また、アプリ内から手軽に投資へ手が出せるように、1ドルから株式投資ができる機能を備えており、包括的な金融サービスを提供しています。

ただこれだけでは、よくあるチャレンジャーバンクと差異はほぼありません。1ドルからの投資を含め、多機能なモバイルバンクも数多く市場に登場してきています。Albertの違いは、あえて人間のフィナンシャルアドバイザーをサービスの中核として提供することで、コミュニケーションが取れるモバイルバンクとしてのポジションを取ろうとしているのが特徴です。Albertでは、「Genius」と呼ばれる金融面でのアドバイザーが常駐しており、チャットベースで個人の支出に関わるアドバイスを金融的側面から提供してくれます。

いわば人による銀行の窓口サポートを充実させるAlbert

また、株式投資においてもGeniusに対して銘柄の好みやゴールを伝えることでポートフォリオを作成し提案してくれます。もちろん、今時完全自動でポートフォリオを作ってくれるサービスもありますが、Albertではあえてコミュニケーションを介在させることがユーザーベネフィット(Financial Wellness)に繋がるという考えを持っているのだと思います。AlbertはGeniusに対してサブスクモデルを採用しています。月額は最低4ドルからで、いくら実際に払いたいかはユーザーに決定権を持たせています。初月は無料でも体験が可能です。

現状でGeniusのメンバーがどのようなバックグランドなのか、そうした情報は現状公開されていません。なので、どうしてもアノアニマスな人間に話しかけている印象がぬぐえませんから、もしこのGeniusの個人をイメージできるような設計(プロフィールやバックグランドがユーザー側で知れる)ようになれば、さらにコミュニケーション型モバイルバンクとしての地位は高まるような気がします。