渋谷区が初の副業人材募集、YOUTRUSTの「すごい副業」にスタートアップ支援事業が登場

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ニュースサマリ:キャリアSNS「YOUTRUST」は2月5日、同社プラットフォーム上で渋谷区の副業人材の募集開始を伝えている。渋谷区が副業人材を募集するのは初めてで、渋谷区が進める「スタートアップ支援事業」をサポートする人材を集める。募集期間は2月5日から2月28日で、業務内容はスタートアップ支援事業におけるコミュニティマネージャー、スタートアップ招聘施策推進、海外プロモート支援、実証実験推進となっている。原則として登庁を伴わないリモートワーク業務で、勤務時間や謝礼、契約形態についても個別に決定する。応募したい人はYOUTRUSTの特設ページから必要な情報を送信する。

話題のポイント:渋谷区の面白い取り組みが公表されました。副業という形式で外部から豊富な知見を集める取り組みはヤフーが実施した「ギグパートナー」制度が有名です。インフルエンサーやスペシャリストなど、際立った個性や能力を持った人たちを細かく繋ぎ、新たな発想や気づきを社内にもたらそうというものでした。報酬も数時間・数万円程度になっていて、より幅広い接点を持とうという意図が感じられます。

対象となる「スタートアップ支援事業」は、若い世代がスタートアップにチャレンジしやすい仕組みの整備や大手、海外などとの連携を促進させる取り組みになります。昨年1月から開始し、現在は10社ほどの採択スタートアップと共に実証実験が始まっているということでした。そもそもスタートアップという特性上、答えありきの進行は難しいですから今回のように多種多様な能力を持った人材に副業という形で参加してもらう方法は相性がよさそうです。この内容については改めてプロジェクトを推進する田坂克郎さんに後日お話を伺うことになりました。

さて、今回この企画をサポートすることになったYOUTRUSTの「すごい副業」キャンペーン、興味深く見てます。応募にあたって履歴書や職務経歴書等は不要で、YOUTRUSTのプロフィール情報などで採用が決まるという、まさにソーシャルネットワーク時代の人材採用企画です。

インパクトあった南場智子さんのウォーキングパートナーも採用決定したそうです

これまでにも本田圭佑さんやディー・エヌ・エーの南場智子さんといった著名人を中心に、副業案件を14回実施しています。取材で同社代表取締役の岩崎由夏さんと事業開発を担当されている佐藤亮太さんにお話伺いましたが、ほぼ全ての企画で採用が決まっているそうで、中には300人近い応募があったケースもあるらしく、ここ1、2年に高まった副業の盛り上がりを感じさせます。

岩崎さんに現在の副業に対する意識や課題をお聞きしましたが、いわゆる正社員採用前のお互いのチェック機能としては十分に機能し始めているようです。従来の試用期間とは異なり、実際に業務を推進するという意味でもスキル・カルチャー両方のチェックがより深いレベルで可能です。一方、大手はまだまだ副業への対応が難しいところも多く、例えば業務委託契約となった際の指示系統であるとか、利用する個人のPCにセキュリティに関わる権限を付与してよいのか、といった細かい点でハードルがあるようです。

あとちょっとしたヒントとして、業務委託する場合の時給の決め方について岩崎さんに教えてもらいました。これはシンプルに前職での給与を時給換算するのがスムーズだそうです。

キャリアSNSはグローバルでLinkedInなどが大きな影響力を持ちましたが、国内ではこれと言った決め手がまだありません。副業というイメージが強いYOUTRUSTですが、今後、キャリア・ビジネスソーシャルネットワークとしてどのようなポジションに収まっていくのか興味深いところです。

※この記事はClubhouseで公開取材した内容を元に、合意を得て記事化しております。

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