Grabに続き、gojekも出資——インドネシアのeウォレット「LinkAja」、シリーズBの調達額が1億米ドル超に

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Image credit: LinkAja

インドネシアで有名なフィンテックアプリの一つ「LinkAja」は、配車サービス大手 gojek から金額非公開の戦略的投資を受けたことを発表した。今回の出資により、LinkAja が現在進めているシリーズ B ラウンドで調達した資金は1億米ドルを超えたことになる。

興味深いことに、今回の発表は、LinkAja が gojek の競合である Grab から、Telkomsel、BRI Ventura Investama、Mandiri Capital の参加を得てシリーズ B ラウンドでの投資を受けてから4ヶ月も経過していない。

今回の gojek との提携は、インドネシアにおけるデジタル金融サービスの導入を強化し、金融包摂を加速させることを目的としている。今回の連携は、gojek と LinkAja との既存のパートナーシップに基づくもので、これには交通機関やチケット予約サービスの決済が含まれる。このパートナーシップの一環として、LinkAja が gojek アプリの決済手段に追加される。

LinkAja は以前「T Cash」と呼ばれ、政府系通信会社 Telkomsel が〝スキャン&ペイサービス〟として開始した。現在のLinkAja は、小売店や公共サービス、その他の日常的なニーズに対応したデジタル決済に主眼を置いており、ユーザの80%は二級・三級都市から来ている。

シリーズ B ラウンドの資金調達において、LinkAja の他の著名な株主が出資したのに続き、gojek が株主として参加してくれることになった。今回の投資により、LinkAja は gojek のエコシステムへのアクセスが拡大し、インドネシアの金融包摂を加速するという LinkAja の目的をさらにサポートすることになる。(LinkAja CEO の Haryati Lawidjaja 氏)

新型コロナウイルスの感染拡大とその広範な影響は、日常生活におけるデジタル決済の重要性を強調しており、今回の協力関係は特にタイムリーなものだ。LinkAja を戦略的パートナーとして、より多くの企業や消費者に新しい取引方法を提供していきたいと考えている。(gojek 共同 CEO の Andre Soelistyo 氏)

東南アジア最大の市場で銀行口座を持たない人口が多いインドネシアのフィンテック業界は、ここ数年で大きな成長を遂げていて、決済分野だけで60社以上の企業が存在する。主なプレイヤーには、OVO(Grab が筆頭株主)、GoPay(gojek 傘下)、2C2P、PayFazz、iPay88、Shopee Pay などがいる。

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【via e27】 @E27co

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