異業種の仮想通貨事業参入、AWS東京の障害で仮想通貨取引に影響など——2月後半の中国ブロックチェーン界を振り返る

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Image credit: TechNode/Xuewen Song

Tencent(騰訊)と Ant Group(螞蟻集団)傘下のそれぞれの認可済オンライン銀行がデジタル人民元のパイロットテストに参加すると報じられており、また、別の銀行がデジタル人民元用の生体認証ハードウェアウォレットを開発中だ。中国最大の自動車メーカーの一つ Geely(吉利)はブロックチェーン領域に参入、また中国のお茶の会社が仮想通貨マイニングにピボットしつつある。

デジタル人民元関連の進展

  • Tencent(騰訊)傘下の WeBank(微衆銀行)と Ant Group(螞蟻集団) 傘下の MyBank(網商銀行)は、現在デジタル人民元試験を行っている6つの国有銀行の仲間入りをする最初の中国の民間銀行になると、中国メディアが匿名の情報源を引用して報じた。動点科技
  • 中国郵政儲蓄銀行は、デジタル人民元の生体認証ハードウェアウォレットを開発している。ハードウェアウォレットは、人々がスマートフォンなしでデジタル人民元を使用することを可能にし、特に高齢者に有用であると同行は述べた。新華社

ブロックチェーン・仮想通貨ビジネスへのピボット

  • 浙江省の自動車メーカー Geely(吉利)とスイスの Concordium Foundation が、中国でブロックチェーンサービスを提供するための合弁会社を設立する。中国最大手の自動車メーカーの一つである Geely が合弁会社の株式80%を保有し、規制当局の承認を待って年内に運営を開始する予定。共同声明
  • アメリカに上場しているオンラインスポーツ宝くじ運営会社 500.com(500彩票)は、Bitmain(比特大陸)の創設者である Wu Jihan(呉忌寒)氏が、共同創設者の Zhan Ketuan(詹克団)氏との1年にわたる争いの末に去ったマイニングプール「BTC.com」の買収により、仮想通貨マイニングへのピボットを継続している。500.com は先日、数百万米ドルを投資して仮想通貨マイニングリグを購入すると発表した500彩票
  • NASDAQ 上場のティーブランド「Urban Tea(茗韻堂)」は、ブロックチェーンと仮想通貨マイニングへの進出準備をしており、新たに2人の幹部を雇用した。茗韻堂

AWS 東京リージョンの障害が仮想通貨取引に影響

  • 東京での Amazon Web Services のノード障害により、2月19日に中国の仮想通貨取引所の接続性に問題が発生した。一部の Huobi(火幣)ユーザはログインや取引ができなかった。Binance(幣安)と KuCoin(庫幣)のアクティビティが減速した。Huobi ユーザは2月26日に再び問題を報告した。Wu Blockchain
  • Binance は2月19日の1時間、Ethereum ベースのトークンの引き出しを一時停止したが、これはネットワークの混雑に起因したものだった。翌日、仮想通貨デリバティブ取引所の FTX は、FTX がユーザを自社エコシステムに取り込もうとしていると発表した。Binance の Ethereum 競合である Binance Smart Chain が人気を集めている。CoinTelegraph

マイニングリグメーカーの動き

  • 杭州のリグメーカー Ebang(億邦)は、ビットコイン価格が高騰する中、7,000万米ドルを調達してフォローアップ公募を終了した。同社はこの資金をマイニング事業の拡大と、ASIC(特定用途向け集積回路)チップの開発に充てる計画だ。億邦
  • Bitmain は、仮想通貨マイニングの標準化を目指す香港の BitFuFu(比特富富)との提携を発表した。比特富富

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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