Dropbox、文書共有プラットフォームのDocSendを1億6,500万米ドルで買収へ

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Photo by Ian Lamont, used under the CC  Attribution 2.0 Generic license.

Dropboxは、セキュアなドキュメント共有・追跡プラットフォームを提供するDocSendを、1億6500万米ドル相当の全額現金で買収する計画を発表した。

2013年にサンフランシスコで設立されたDocSendは、リンクベースのドキュメント共有アプローチにより、企業が扱いが面倒なメールの添付ファイルを利用しなくて済むようにしている。DocSendのアプローチでは、企業はファイルのダウンロードを管理し、リアルタイムのエンゲージメントを把握しながら、いつでもアクセスを停止することが可能だ。さらにDocSendのプラットフォームを通じて、企業は共有したファイルを最新の状態に保てる。

Dropboxは企業向けのサービスを強化しており、Salesforceなどのビジネス向けサービスとの統合を進めている。昨年はGoogleとの提携を発表し、GSuiteユーザがDropboxにファイルを保存できるようになった。DocSendの買収は、2019年に電子署名のスタートアップHelloSignを2億3,000万米ドルで買収したのに続きDropboxにとってここ数年で2度目の買収となる。

DocSendとHelloSignはどちらも、ドキュメントの遠隔管理と配布に関係している。実際にDocSendにはすでに電子署名機能が組み込まれている。 Dropboxの共同創設者兼CEOのDrewHouston氏はプレスリリースで、Dropbox、DocSend、HelloSignを、コラボレーション、共有、電子署名を含む「エンド・ツー・エンド・スイート」としてパッケージ化し、企業が「重要な文書のワークフローを最初から最後まで管理」できるようにする計画であると述べている。

Dropboxがエコシステム内のどの製品が完全に統合された機能として最も価値があるかを判断するために必要なデータへアクセスしていることが明らかになった。Dropboxはエクステンションプログラムを拡大して多数のビジネスアプリをサポートし、2019年からはDocSendとの統合機能を提供している。エクステンションプログラムはもともと2018年に開始され、その2カ月後にDropboxが買収するスタートアップHelloSignを含むインテグレーション機能を当初から提供していた。

DocSendはAirtableやGartnerといった著名な企業を含めすでに約17,000社を超える顧客を有しているため、Dropboxは自社製品群のクロスセルやアップセルを行うことで、市場のシェア獲得をより容易に行えるだろう。

今月後半に買収が完了するまでの間にDocSendの変更はほとんど行われず、買収後にスタンドアロンなプロダクトとしてのDocSendがどうなるかについてDropboxは明確にしていない。

広報担当者はVentureBeatに対して次のようにコメントした。

私たちの目標はDocSendによる追加の機能やDropboxとのより深い統合を通じて、付加価値の向上を加速させることです。将来的にはさらに多くを共有することになるでしょう。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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