音声書き起こしツール開発のOtter.ai、シリーズBのエクステンションラウンドで5,000万米ドルを調達

SHARE:
Image credit: Otter.ai

カリフォルニア州ロスアルトスを拠点とする AI 書き起こしスタートアップ Otter.ai は2月25日、Spectrum Equity がリードしたシリーズ B ラウンドで、1,000万米ドルのコンバーチブルノートを含む5,000万米ドルを資金調達したと発表した。この資金で、同社は AI、ディープラーニング、自然言語処理、フロントエンドとバックエンドのエンジニアリング、リーダーシップチームを雇用し、今後1年間で人員を3倍に増やす計画だ。

2025年までに318億2,000万米ドル規模に成長すると推定されている音声書き起こし市場は競争には事欠かない。しかし、音声テキストサービス「Otter」を運営する Otter.ai(旧称:AISense)は、創業から5年間でこの分野を開拓することに成功した。Otter が230カ国以上で採用されたことで、同社の収益は2020年に800%急上昇した。同社によると、現在までに合計時間で30億分、1億件以上の会議を書き起こしたという。

Otter.ai は、2016年に CEO の Sam Liang 氏とエンジニアリング担当副社長の Yun Fu 氏によって設立された。Liang 氏は、Google マップアプリの「blue dot」を開発した Google ロケーションチームを率い、2013年に Alibaba(阿里巴巴)に買収されたモバイルスタートアップ Alohar を立ち上げた。

Google、Yahoo、Facebook、MIT、スタンフォード大学、デューク大学、ケンブリッジ大学出身のチームが開発した Otter.ai のコア技術は、会話用に最適化されている。ディアリゼーション(diarization)と呼ばれる技術を使って話者を区別し、一人一人の声に固有プリントを生成することができる。書き起こしはクラウド上で処理され、Web サイト、Dropbox、iOS / Android モバイルアプリから利用可能になる。検索、コピー&ペースト、スクロール、編集、共有が可能で、各録音の上部には、よく使われる用語が記録されている。

Otter.ai のスポークスパーソンは VentureBeat に次のように語った。

Otter の精度の高さは、アプリの学習を可能にするアルゴリズムの結果だ。これらのアルゴリズムは、初期の頃は特に、さまざまなアクセントを持つ英語話者(アメリカ国内の地域的なものから、Liang 氏のようなアクセント、そして地球上の何十億人もの英語話者に対応するために最適化されたものまで)に焦点を当てていた。Liang 氏は、アクセントが自然言語処理システムに理解されないことに常に不満を持っていた。

Otter.ai の競合は、出席者の顔認識や音声からテキストへの変換などの AI を搭載した機能で、ライブイベントをホストすることができる Microsoft 365 のほか、CiscoVoiceraVerbit、Trint、Simon Says、Scribie といったスタートアップが出している会議文字起こしツールだ。しかし、Otter.ai は競争力のある価格設定でサービスを差別化しようとしている。Otter Pro は月額8.33米ドルからで、ビジネスプランは月額20米どると少し価格が高い。また、無料プランも提供しており、1ヶ月あたり600分間までの文字起こしと無制限のクラウドストレージが利用できる。

<関連記事>

Image credit: Otter.ai

Otter.ai は最近、「Otter for Education」で教育市場に参入した。このサービスでは、講師が過去の書き起こし原稿へのアクセスを制御できるほか、障害のある学生向けのサービスやアクセシビリティ技術を補完することができる。Otter.ai は最近、サブスクリプションソリューション「Otter for Teams」を発表した。これは、アカウント管理、プロビジョニング、レポーティング、その他の機能を備えた中小企業のニーズに対応するために設計されたサービスだ。Otter.ai は昨夏、Otter の自然言語処理技術を利用してイベントの会話をリアルタイムでキャプチャし、文字変換するサービス「Otter for Events」を発表した。

Otter.ai は Zoom と Google Meet 向けにプラグインを提供しており、これを使えば、参加者はイベント中はライブ字幕を、その後に音声書き起こし原稿を取得することができる。これは Otter.ai が提供する、参加者が直接ビデオ会議や会議後に書き起こし原稿を開けるサービス「Otter Live Notes」の一部だ。Otter Live Notes では、ビデオ会議プラットフォームから直接起動できる「Otter Voice Meeting Notes」と同じリアルタイム機能の一部を利用できる。

Otter を試験的に、または積極的に使用している組織には、カリフォルニア州立大学、コロンビア大学、ウォーリック・ビジネス・スクールなどがある。Otter.ai はユーザが数百万人いるとしており、パンデミックが成長を促し続けることを期待している。Liang 氏は電子メールで VentureBeat に次のように語った。

リモートとハイブリッドでの作業が、日常的なトレンドになりつつあることが日に日に明らかになってきている。そのため、この新しいバーチャル世界に参加するすべての人にとって、会議をより生産性の高いものにするために、生産性向上ツールやコラボレーションツールを使って、会議を見直す必要がある。

今回のエクステンションラウンドには、Beyond Spectrum、Horizons Ventures、Draper Associates、GGV Ventures、Draper Dragon Fund が参加した。今回ラウンドにより、Otter.ai の累積調達金額は6,300万米ドルを超えた。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

BRIDGE Members

BRIDGEが運営するメンバー向けイベント「Tokyo Meetup」では新サービスの紹介やノウハウ共有などを通じて、スタートアップと読者のみなさんが繋がる場所を提供いたします。メンバー登録は無料です。
  • BRIDGE Canvasの購読
  • メンバー向けDiscordご招待
  • BRIDGE Tokyoなどイベントご招待
無料メンバー登録