GMVの75%はあの1社が独占、a16zが消費者向けマーケットプレイス100社公表

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Photo by Quintin Gellar from Pexels

ピックアップ: The a16z Marketplace 100: 2021

ニュースサマリ:Andreessen Horowitz(a16z)は3月22日に消費者向けマーケットプレイスの新たなランキング「 The a16z Marketplace 100: 2021 」を公表している。昨年2月に公表したものを改定したもので、引き続きGMV(消費者が各企業に対して費やしている流通取引の総額)を基準とする。データソースはBloombergに買収された消費者支出データ「 Bloomberg SecondMeasure 」を参照しており、具体的には米国企業の5,200社においてクレジットカード、デビットカード、銀行振込で取得した匿名化データを対象としている。調査期間は2020年1月から12月まで。

なお、B2Bマーケットプレイスや公開企業は対象外で、主に現金や小切手などの支払いは相対的に順位が下がる。また、米国のデータに偏向があるためグローバルでの取引が大きいスタートアップやSecond Measureの調査対象になっていない企業は対象から外れる。a16zのマーケットプレイスの定義は「商品やサービスを消費者と相互に繋いで流通を容易にするもの」としている。

話題のポイント:昨年に続いてa16zのマーケットプレイスランキングが公表されました。消費者動向のトレンドを知る上で重要なデータです。米国のみですが、各国のC2C動向を考える上での基準のひとつになると思います。昨年のサマリは下記の記事の通り。

参考記事: 2020年に注目される100のマーケットプレース・ビジネス(概要編)

競争が激化する消費者向けマーケットプレイス

Image Credit :a16z

さて、ポイントはいくつかあるのですがここでは「GMVの75%を占める1社」と「新規参入にみるコロナ禍の影響」の2点に絞ってみたいと思います。サマリの全文や調査レポートもa16zのサイトで無料公開されてますので、関係される方は要チェックです。

実は昨年のランキングでもGMVの全体の75%以上を上位4社が占めるという、非常に偏りのある状況が明らかになりました。四天王となっていたのが「Airbnb、Poshmark、DoorDash、Instacart」の4社で、このうちInstacartを除く3社は上場したためランキングを卒業しています。そして今回、GMVの70%を占めることになったのが留年組となったInstacartです。

昨年のキング、Airbnbは全体GMVの30%ほどだったそうなので、競合が抜けてランキングにおいては一強ということになります。逆に言えばそれ以外の99社はどんぐりの背比べということになります。実際、2位のVALVEが10%を切っており、4位のStockXが1%台になりますから順位の入れ替えは相当に厳しいものになる可能性が指摘されています。まさに「Winners Take All」の通りで、先行したマーケットプレイスが取った市場で後発がいかに厳しい戦いを強いられるのかという証拠にもなるデータと言えるかもしれません。

コロナ禍はどう影響した

Image Credit : a16z

もう一点、言及があったのが新規参入組による入れ替えです。パンデミック疲れによる消費者動向の変化があったと指摘されており、生鮮食品、食品、ファッション、音楽、が新期参入組における7割を占めており、上記がランキングに新規参入したスタートアップとカテゴリです。

生鮮カテゴリの Mercato はハイパーローカルと言われる地元の食料品店を消費者に繋ぐ食料品配達アプリで、Bandcampはインディーズのアーティストと直接消費者を繋ぎます。考察でも指摘されていましたが、コロナ禍で外出が規制された結果、今まであれば「近所に出かければOK」のちょっとした消費行動を変えた結果とも言えそうです。この辺りはワクチンが普及した後にどうなるのか気になるところです。

もう一点、旅行関連には興味深い変化があったようです。ユニークなキャンプ場の予約( Tentrr )や、RVカーキャンプ場のシェア( Harvest Hosts )、「贅沢な」キャンプ体験( Glamping Hub )といった屋外旅行体験が新規でリスト入りしたり、キャンプ場のマーケットプレイスHipcampやRVレンタルOutdoorsyRVshareは大きく順位を上げています。 ファッションについてはPoshmark(メルカリのような米国におけるC2C大手)が卒業したこともあり、新規参入としてCURTSYとdepop、Vestiaire Collectiveといったより個性的かつ、中古の流通が目立ってきているようです。これも自粛傾向で節約が進んだ結果と指摘していました。

今回は触れるだけにしますが、NFTへの言及があったのも注目しています。ランキングには引き続きStockXやGOATが上位に食い込んでいますが、こういったファッションなどに加えて「収集品」としての価値を見出したマーケットプレイスもランクインしているようです。ライブショッピングマーケットプレイスの Whatnot はキャラクターグッズなどをライブで販売しています。NFTによるユニークなアイテムのアセット化はここ数年ずっと言われ続け、Twitterの最初のツイートが数億円をつけるなどようやく顕在化してきた感があります。

A16zはつい先頃、NFTマーケットプレイスのOpen Seaへの投資を発表していますが、これまでにもクリプト関連は重点施策として投資してきており、今後、このカテゴリがどう伸びるのかも大変興味深く見ています。

 

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