DXコンサルのFabeee、シリーズAで1.1億円を調達——マイナビ、basepartners、データセクションらから

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左から:山口丈寛氏(basepartners 代表パートナー)、森一磨氏(マイナビ グループ経営統括本部 国内事業開発部部長)、佐々木淳氏(Fabeee 代表取締役 CEO)、杉森由政氏(Fabeee 取締役 CTO)、櫛引一臣氏(Fabeee 取締役 COO)、林健人氏(データセクション代表取締役社長兼 CEO)
Image credit: Fabeee

DX(デジタルトランスフォーメーション)コンサルティングの Fabeee は26日、シリーズ A ラウンドで約1.1億円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、マイナビ、basepartners、データセクションなど。Fabeee は昨年7月にデータセクションと資本業務提携しており、データセクションはこれに続く出資とみられる。Fabeee は資金を主に人材獲得に充てる見込み。

Fabeee は2010年4月、ウィルオブ・ワーク(旧セントメディア)でコンサルタントを務めた佐々木淳氏(現代表取締役 CEO)により創業(創業時の社名はフォトメ)。これまでに写真 Web サービス事業、スポーツ動画キュレーションアプリ「Footi Stream」などを出しているが、ここ数年はデータセクションらと協業し、AI を解析した音声解析事業に取り組んでいる。

何度かのピボットを繰り返して、新たに Fabeee がたどりついた分野が企業の DX 支援だ。ローコードやノーコードのサービスが数多く生まれている中で、これらのツールを使って、エンジニアでないクリエイターがプログラムを生成することができたら、「オンラインとオフラインの境界が無い世界が実現できる(佐々木氏)」という。

企業の DX 推進指標見える化サービス「DX Score」
Image credit: Fabeee

Fabeee の DX 支援ソリューションは、フルサービスの「Fabeee DX」、同社のレスコードプラットフォーム「ALICE」を活用したシステム開発受託「Fabeee Any Place」、エンジニア常駐型 SES などで構成される。取引先は累計300社ほどで、データが無い会社はデータを作るところから、データがある会社はそれを活用する素地作りから支援が可能だ。

創業期はプロダクト開発から始め、そこから、受託開発、エンジニアのアウトソーシングへと事業をシフト、ここ5〜6年間は、軍資金づくりと PMF に費やした。これまで自前資本でやってきたが、AI や DX 課題の事業に手応えを感じたことから、一昨年に社名を変更、昨年、本格的な外部からの資金調達を始めて実施した。(佐々木氏)

今回参加した投資家のうち事業会社とのシナジーでは、マイナビは社内にオフショア開発を支援するチームがいるため、Fabeee が顧客とのフロントに立ち、マイナビのチームに開発の実務を担ってもらうことで、DX 支援サービスな効率的な提供を目指す。Fabeee は昨年、データセクションと共同出資で iVOICE を設立しており、データセクション顧客へのアップセルやクロスセルを狙う。

DX 予算を拡大する企業は増えており、この商機を狙う DX 支援を謳うサービス会社の数も右肩上がりだ。佐々木氏は Fabeee の差別化要素として、企業から簡易的なサンプルデータを預かるだけで、新規事業と既存事業の改善点を的確かつ無料で指摘できるのは強みだと語った。スタートアップとしては古株だが、その分、システム開発から DX までの酸いも甘いも知っているということだろう。

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