不動産クラウドファンディングのFUEL、高島屋と介護関連不動産向けファンドをローンチへ

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高島屋大阪店が入居する南海ビルディング(大阪・なんば)
Image credit: Wikimedia Commons

不動産クラウドファンディング・プラットフォームを提供する FUEL(旧称クラウド・インベストメント)は12日、高島屋(東証:8233)と協業で介護関連不動産に特化したファンドをローンチすると発表した。FUEL のプラットフォームを使って、高島屋傘下の高島屋ファイナンシャルパートナーズがサービス付き高齢者向け住宅に関する不動産クラウドファンディングを今夏から展開予定。高島屋は、小売や金融に続く事業の柱として SDGs や ESG 関連の不動産投資を強化するようだ。

FUEL は昨年2月に不動産クラウドファンディング・プラットフォームをローンチ。上場している不動産事業会社(デベロッパ)との協業により、不動産クラウドファンディングの展開を図るとしていた。第一弾は物流系不動産大手シーアールイー(東証:3458)によるもので、今回発表の高島屋のものを含めると、合計4社の不動産クラウドファンディングが稼働する。さらに3社との協業が確定しているとのことで、今年6月までに順次スタートする見込みだ。

FUEL の不動産クラウドファンディング・プラットフォームは、CRE のように独立した個別サイトと、日本商業開発や AD ワークスグループのように複合サイトの2つのメニューがある。Web サイトでいうところの、独自ドメイン(前者)と既存のサブドメイン(後者)のイメージに近いかもしれない。他の不動産投資商品と比べ、容易に分散投資を行えるのが特徴で、これまでに物流不動産・底地・海外不動産に対応、今後はオフィス、レジデンス、ヘルスケア、保育園、再生可能エネルギー関連不動産にも対象範囲を広げる。

FUEL 代表取締役の細澤聡希氏によれば、2020年の不動産クラウドファンディング・プラットフォームローンチ後、累計で15件のクラウドファンディングが実行され、9.3億円の募集が完了しているという。個人や個人が持つ資産管理会社のほか、最近では、学校法人や一般事業会社等の法人会員からの投資も増えつつあるそうだ。15件のクラウドファンディングのうち13件は開始から24時間以内に資金調達を完了。また、既存の不動産投資手段である J-REIT と比べ、投資家が2世代(20年)ほど若く、女性の参加が多いことも判明しているという。

FUEL は共に早稲田大学理工学部建築学科出身で、それぞれ、コーポレートファイナンスや不動産投資など金融畑を歩んできた細澤氏と徳毛雄一氏らにより創業(二人は共に共同代表取締役)。利回りは高くないものの、リスクの低いオルタナティブ投資商品を開発することで、最終的に数百万人以上のユーザ(投資家)を魅了したいとしていた。

FUEL はこれまでにシードラウンドで、ソニーフィナンシャルベンチャーズとグローバル・ブレインが運用するファンドシーアールイー(東証:3458)とその子会社で不動産証券化事業を行うストラテジック・パートナーズ、不動産テック特化 VC のデジタルベースキャピタルから資金調達している。

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