新疆ウイグル自治区の綿花ボイコット関連の動き、地域密着型食料品配達事業が活況など——中国テックシーン・アップデート

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Image credit: Alibaba

先週、H&M は新疆ウイグル自治区での強制労働が行われているとの主張で中国の反感を買い、その後、中国の EC サイトやサービスアプリから排除された。Alibaba(阿里巴巴)と DST Global は、中国のコミュニティベース食料品配送アプリ「Nice Tuan(十薈団)」に7億5,000万米ドルの調達ラウンドに参加した。ソーシャルメディア EC プラットフォームである「Little Red Book(小紅書)」は IPO が噂される中、新 CFO を採用した。

新疆ウイグル自治区の綿花ボイコットへの EC 各社の反応

  • スウェーデン発のファッションブランド H&M は、Alibaba(阿里巴巴)傘下の「Taobao(淘宝)」、JD.com(京東)、Pinduoduo(拼多多)をはじめとする中国の EC プラットフォームや、配車プラットフォーム「Didi(滴滴出行)」、Tencent(騰訊)や Baidu(百度)の地図アプリなどのサービスアプリからも削除された。H&M は、綿花の主要生産地で、中国の少数民族ウイグル人の居住地でもある新疆ウイグル自治区からの素材調達を中止したことで反発を受けており、スウェーデン政府は重大な人権侵害が行われていると非難している。The Wall Street Journal
  • 中国のテック企業 NetEase(網易)のプライベートブランド「NetEase Yanxuan(網易厳選)」は、新疆の綿花への支援を表明。綿花の使用を継続し、農家がより多くの製品を開発できるよう支援し、国内からより多くの原材料を調達することを約束した。億邦動力
  • また、ナイキ、アディダス、ユニクロなど多くの国際ブランドが、新疆での人権侵害疑惑に懸念を表明したことで、国内での勢いを失っている。南華早報

IPO と資金調達

  • 中国の食料品配送アプリ「Nice Tuan(十薈団)」は、サプライチェーンと生鮮食品の提供を強化するために、Alibaba Group と DST Global がリードした7億5,000万米ドルの調達ラウンドを実施した。その他の参加投資家には、D.E. Shaw & Co.、Anatole Investment、Jeneration Capital、Dragoneer などがいる。億邦動力
  • The Information の報道によると、中国のソーシャルeコマースプラットフォーム「Little Red Book(小紅書)」は、アメリカでの上場を視野に入れているとの報道がある中、財務管理を監督するためにシティグループの元幹部を採用した。動点科技
  • 上海に拠点を置く2つのベンチャーキャピタルは、モバイルバッテリーレンタル会社 Energy Monster(怪獸充電)の CEO Mars Cai(蔡光淵 )氏が、彼らにあわせて3%の株式を与えるという契約を反故にしたと非難した。タイミングが悪いことに、Energy Monster は最近、アメリカ上場のための目論見書を提出したばかりだ。ロイター

物流ビジネスが活況

  • Alibaba(阿里巴巴)傘下の Cainiao Smart Logistics Network(菜鳥網絡)は3月29日、香港航空の子会社である Hong Kong Air Cargo(香港貨運航空)と提携し、東南アジアへの貨物便を開始すると発表した。提携の第一段階として、Hong Kong Air Cargo は Alibaba の物流部門に代わって、マニラ、クアラルンプール、バンコクの各ハブ空港への便を運航する。鳳凰
  • 北京に拠点を置く中国の同一都市内物流サービスプロバイダ Shansong Express(閃送)は、シリーズ D2 ラウンドで Shunwei Capital(順為資本)、N5 Capital(五岳天下投資)、SIG China(海納亜洲創投)、Tiantu Capital(天図資本)、Oceanpine Capital(海松資本)、Alpha Square Group、Axiom Asia Private Capital、Qianshan Capital(千山資本)、CF Capital(城発基金)から1億2,500万人民元(約21億円)を資金調達した。Shansong Express にとって、本ラウンド後 SIG China が最大の機関投資家となった。Shansong Express のユーザ数は、2019年時点で1億人超。騰訊新聞

Meituan(美団)、売上高は伸びるも赤字

中国フードデリバリ大手 Meituan(美団)は、地域密着型の食料品配送事業への投資を強化したことで、昨年第4四半期に23億人民元(約387.5億円)の純損失を計上した。同社は、食料品配送サービスへの投資が引き続き収益を圧迫すると警告しているが、中核となる食料品配送と店舗事業の成長により、昨年第4四半期の売上高は予想を上回る379億人民元(約6,385億円)に達した。ブルームバーグ

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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