大久保徳彦氏、北海道にフォーカスしたシード向けファンド「POLAR SHORTCUT」を設立

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大久保徳彦氏
Image credit: Polar Shortcut

日本のスタートアップの多くが東京に集中している理由の一つは、彼らが資金調達する VC の多くが東京に活動拠点を置いているからだろう。そんな中で、地方銀行系 VC や地方特化 VC は頼もしい存在だ。彼らは、東京からはリーチしづらい、地方から原石のスタートアップを見つけ、出資し、必要とあればそれを磨き、さらに可能性が見出せれば、東京の VC へとトスアップしてくれる。今日また、新たな地方特化 VC が生まれたことをここにご報告したい。

北海道札幌市を拠点とする POLAR SHORTCUT は26日、北海道を対象としたシード特化ファンドを組成したと発表した。1号ファンドの規模は最大3億円で、現時点ではインキュベイトファンドが Fund of Funds 形式で唯一の LP となっているが、今後、LP が増える可能性もある。POLAR SHORTCUT では、1号ファンドからはフォローオンも含め15〜20社程度のシードスタートアップに出資したいとしている。

Image credit: Polar Shortcut

POLAR SHORTCUT は、北海道帯広市出身の大久保徳彦氏により設立。大久保氏は慶應大学卒業後、DeNA でインターン、その後、ソフトバンクの新規事業開発部署を経て、動画制作スタートアップの Crevo でコーポレート室長を務めた人物だ。昨年4月に16年間住んだ東京を離れ札幌に移住。以来、約1年にわたりスタートアップ創出や起業家育成に取り組んできた。2017年には「No Maps」、2018年には「Open Network Lab HOKKAIDO」が始まるなど、北海道のスタートアップシーンは着実に活気づきつつある。

東京でない場所だからこそ成長するビジネスが、北海道では生まれる素地が揃っていると思う。農業、水産業、宇宙ビジネス、フードテック、メディアのほか、北大もあるし、また、過疎化も進んできているので、オンデマンド教育のようなサービスの実証もやりやすいのではないか、と思う。(大久保氏)

札幌市内には昨年、インキュベーションスペース「DRIVE」が生まれた。将来は、福岡特化の VC である F Ventures の「TORYUMON」のような新規事業創出に向けたプロジェクトも手がけていきたいという大久保氏。Open Network Lab HOKKAIDO を主導する D2 GARAGE(デジタルガレージと北海道新聞社の JV)の代表取締役を務める佐々⽊智也氏も最近、札幌に活動拠点を移したと聞くので、出資やインキュベーションなどで連携が生まれることも期待したいところだ。

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