
Image credit: Rabo
ネコの首に装着できるウェアラブルデバイス「Catlog(キャトログ)」や、ネコのトイレの下に挿入することで猫の体重と尿量・回数を自動で記録するデバイス「Catlog Board(キャトログボード)」を開発・提供する RABO は6日、シリーズ A ラウンドで約6億円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、STRIVE、XTech Ventures、W ventures、三生キャピタル、みずほキャピタルで、調達額には、みずほ銀行からのデットが含まれる。
これは同社にとって、2019年4月のシードラウンド、2020年1月のプレシリーズ A ラウンドに続くものだ。これまでの累積調達額は約8.5億円。W ventures は前回ラウンドに続くフォローオンでの参加。RABO では調達した資金を使って、複数の職種で採用を強化する。

RABO は、愛猫家でバイオロギング(行動生態計測)の研究経験を持つ伊豫愉芸子(いよ・ゆきこ)氏が2018年2月にローンチしたスタートアップ。首輪デバイスには BLE(Bluetooth Low-energy の通信チップ)と加速度センサーが内蔵された首輪デバイスと、室温計が搭載された充電するステーションからなる Catlog、体重変化や泌尿器系のトラブルのサインを検知するボード型デバイス Catlog Board を開発している。
これらで得た情報がクラウドにアップロードされ、ユーザが外出先に居ても、あるいは、帰宅してから不在時の愛猫の行動の様子をスマートフォンで見られるしくみだ。ネコの行動変容に加え、水飲み回数・体重・尿量・尿回数などもモニタリングできることから、健康管理のほか、腎臓病などの早期発見に役立てられる可能性がある。

昨年10月に展開した Catlog Board のクラウドファンディングでは、募集総額30万円に対し1,500万円以上の資金が集まり、寄せられた Catlog Board の注文台数は4,000台に上った。クラウドファンディング終了後は自社での予約販売に切り替え、RABO では今夏の発送に向けて準備を進めている。RABO では、Catlog 全体で既に約7,000匹の猫が Catlog やモバイルアプリを使った生活を始めているとしている。
Catlog、Catlog Board と来て3番目のプロダクトを期待してしまいそうだが、これらのデバイスで必要な情報は一通り取れることが確認できているとして、新たなデバイスを発表する予定は今のところ無いとのこと。ただ、いずれのデバイスも機能を向上させるなどして、第二世代、第三世代が生まれる可能性はあるとしている。また、現時点ではまだ明らかにできないが、Catlog を通じて得られたデータをもとに新規事業を計画している、とのことだった。
この分野では、ねこのトイレチェックと健康管理ができるスマートトイレ「toletta(トレッタ)」を開発するトレッタキャッツが、今年初め、前澤ファンドからの出資を受け入れ、ペット業界特化アクセラレータ「Leap Venture Studio」から20万米ドルを資金調達したのが記憶に新しい。
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