AIファッションコーデアプリ「XZ(クローゼット)」、ららぽーとで店頭試着のOMOサービスをローンチ

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LaLaport CLOSET(ららぽーとクローゼット)
Image credit: Mitsui Fudosan / Standing Ovation

オンラインクローゼットアプリ「XZ(クローゼット)」を運営する STANDING OVATION は2日、三井不動産と共同開発した EC・店頭接客の OMO(Online merges with Offline)ソリューションをもとに、三井不動産が千葉・船橋で展開するショッピングモール「ららぽーと TOKYO-BAY」に先月開設した「LaLaport CLOSET(ららぽーとクローゼット)」で実証実験を開始した。

XZ は2014年9月にローンチしたモバイルアプリで、AI が手持ち服から自動でコーディネート提案してくれる。これまでのダウンロード数は150万件で、男女100万人のユーザが合計2,800万件の手持ちファッションアイテムデータを登録している。これまでに複数のアパレル EC サービスと連携、新品のファッションアイテムを自分の手持ち服とコーディネートしてシミュレーションする機能を提供している。

STANDING OVATION はかねてから「Mitsui Shopping Park &mall(アンドモール)」と協業し、AI スタイリストのコーデ提案により商品購買率を向上させる施策を行ってきた。今回の取り組みでは、着回しコーデ提案を契機としてユーザに LaLaport CLOSET での試着を促し、&mall での購入につなげる。

第1弾でこの取り組みに参加するブランドは、UNITED ARROWS green label relaxing、BEAUTY&YOUTH UNITED ARROWS、ビー ミング ライフストア by ビームス、nano・universe、アーバンリサーチストア、NATURAL BEAUTY BASIC、rienda、 RODEO CROWNS WIDE BOWL、Ezick。

Image credit: Mitsui Fudosan / Standing Ovation

LaLaport CLOSET では商品購入は EC サイトに誘導するため、店頭にはサンプルだけを準備するだけでよく、バックヤードに販売在庫を抱えないでいいという利点もある。LaLaport CLOSET は現在1店舗しか存在しないが、同様の取り組みが複数店舗で展開されるようになれば流通最適化にもつながる。

5〜7年前にはショールーミングというバズワードががあったが、この際は商品の販売事業者と店頭事業者が異なるため利害関係が必ずしも一致せず、大きなトレンドには至らずに終焉を迎えた。同一事業者が店頭とアプリの両方での体験を提供することで、一貫した OMO としてサービスできるようになった。

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三井不動産が展開する &mall には300万人の会員がいて、EC 販売に加え、独自にライブコマースやショールーミングといった取り組みを行ってきた。STANDING OVATION 代表取締役 CEO の荻田芳宏氏は、&mall の会員、XZ のユーザは共に「手持ち服を起点として着回しコーデ提案・発見」という UX を求めているため、「相互送客も可能だと思う」と話してくれた。

ファッション OMO の分野では、丸井グループb8ta らが D2C スタートアップとの取り組んでいるほか、Brandit  がファッション D2C ブランド各社にソリューションを提供している。ファッション提案アプリ「FACY(フェイシー)」を運営するスタイラーは、Tencent Cloud(騰訊雲)と提携し、ファッション小売の OMO 対応を強化しつつある。日本人起業家の金田修氏が上海で運営する Yoren(游仁堂)もまた、日本ファッションの国際市場への販売で OMO に注力しているとされる。

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