将来の収入で授業料を支払う「所得分配契約」のSaaSを開発、Blairが目指す教育ローンのOS化とは

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Blair 共同創業者の3人
Image credit: Blair

<ピックアップ> Tiger Global is betting that more schools are going to share future student earnings

ニュースサマリー:学費の出世払いシステムを開発する Blair はシードラウンドで630万米ドルの資金調達を実施したことを明らかにしている。リード投資家にはTiger Globalが参加し、Rainfallや468 Capitalも同ラウンドに参加している。

同社は2019年夏の Y Combinator(YC)アクセラレーションプログラム卒業生。教育機関に向け、ISA(所得分配契約、Income Share Agreement)を SaaS で提供し学費支払いのオルタナティブ実現を目指している。

話題のポイント:金融サービスの世界では、徐々にクレジットスコア(金融的信頼度)に依存せず、総合的に個人の信頼性を算出するサービスがトレンドとなりつつあります。具体的には、移民や留学生向けに出費傾向や成績などを基にローンを提供するStiltなどが挙げられます。

そうした新しい信用に基づく仕組みが誕生する一方、教育機関自体による学費等の支払い手段は数十年変化を遂げてきていませんでした。しかし、下図が示すように教育コストは長年増加傾向にあり、およそ20年間で80%の増加トレンドを示しています。

Image Credit: The New York Times

もちろん、学費ローンや奨学金という選択肢を取れるチャンス自体も増えてきているのは事実かもしれませんが、これだけ BNPL(後払い)文化が他市場で発展しているにもかかわらず、教育市場にその恩恵はほぼ無かったと言えるでしょう。

そこにオルタナティブな手段を提案しているのがBlairです。同社ではISAモデルを教育機関が簡単に導入できるオールインワン型プラットフォームを提供し、支払いから管理機能までを包括的にサポートしています。

同じような文脈では、教育機関そのものがISAモデルを取り入れるパターンがありました。例えば、同じくYCを2019年に卒業したMicroverse はプログラミングスクールを ISA 型でフリーランス向けに提供し、授業料の出世払い制度を実現。

毎月1,000ドル以上のフリーランス業務を得るまで支払いは開始されず、月収当たり15%を学費に当たる1万5,000ドル支払うモデルを採用しています。

通常のローンであれば、収入の有無に関わらず問答無用で毎月の支払いが課されることを考えれば、個人ごとの環境に応じて返済を遂行することができる、といった利点化となっています。

Image credit: Blair

BlairはそうしたフレキシブルなISAモデルを、大学やプログラミングスクールを含むすべての教育機関が取り入れられることを目指しています。いわば、教育機関における「支払いOS」となるべくプラットフォームを構築していると言えるでしょう。

資金力の問題だけで、教育格差が起きるのは今までどうしようもないと考えられてきましたが、こうしたISAモデルを健全に活用すれば、導入機関と学生のどちらもがベネフィットを享受できる世界観が実現できるかもしれません。

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via TechCrunch

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