ノーコード対話AIプラットフォーム「KUZEN」運営、シリーズAラウンドで4.5億円を調達——UTEC、UB Venturesから

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左から:太田匠吾氏(コンシェルジュ共同創業者 兼 CEO)、坂本教晃氏 (東京大学エッジキャピタルパートナーズ 取締役 / パートナー)、岩澤脩氏(UB Ventures 代表取締役社長)
Image credit: Conciergeu

ノーコード対話 AI プラットフォーム「KUZEN(クウゼン)」を開発・提供するコンシェルジュは12日、シリーズ A ラウンドで4.5億円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、東京大学エッジキャピタルパートナーズ(UTEC)と UB Ventures。同社にとっては、2016年7月のシードラウンド(ANRI から調達)、2019年6月のプレシリーズ A ラウンド(2億円を調達)に続くものとなる。明らかになっているものだけで、累積調達金額は6.5億円を超えた。

コンシェルジュは2015年2月、東京大学アントレプレナー道場1期生優秀賞を受賞し、JP モルガン証券や産業革新機構出身の太田匠吾氏(CEO)と、太田氏の大学院時代の友人でピクスタの開発部長だった白倉弘太氏(CTO)により共同創業。高機能な対話AIプラットフォーム「KUZEN(以前の名前は Concierge U)」を開発している。KUZEN をチャットボットと呼ばないのには理由がある。さまざまな SaaS と連携することにより、プラットフォームの応対するメッセージやフローに反映することができるからだ。

一般的なチャットボットであれば、問いに対し、いくつかの回答選択肢が提示され、ユーザがそれを選ぶことでフローが進んでいく。対して KUZEN は SaaS を中心とした他システムからデータを API 経由で取得して動作できるため、完全に動的なフローを構築することができる。このため、問い合わせを受けるカスタマサポートや EC の受注システムなどにとどまらず、マーケティング、社内外のコミュニケーション全般の DX(デジタルトランスフォーメーション)に寄与できる。

「KUZEN」
Image credit: Conciergeu

KUZEN がメッセージをインプット・アウトプット可能なインターフェイスは Web のほか、モバイルアプリ、Microsoft Teams、Slack、LINE WORKS(予定)、LINE など。他方、情報連携できる SaaS としては、Salesforce、Concur、G Suite、Office 365、Marketo、Github、WinActor、UiPath など。可能性は無限に広がるが、例えば、メッセンジャーのやりとりで営業報告を Salesforce にアップしたり、同様に Slack 上のメッセージで Concur 連携で経費精算したりすることもできる。

AI が応対するメッセージやフローを、Web UI からドラッグアンドドロップで作ることができるのも、ユーザが導入する上でのハードルを下げることに貢献している。設定をする上で特別なスキルや煩わしさを伴わないため、企業ではシステム部門を巻き込まずに導入できることから、電通、全日空、オムロン、東京ガス、小田急、LIFULL など業界を問わずに有名企業が現場単位で導入し、これまでに10万人以上のユーザが利用しているそうだ。

コンシェルジュでは、KUZEN を使うことで従業員が機能別に IT システムに直接触れなくても、メッセージのやりとりだけで情報を入力したり、出力したりできるため、企業における業務全般の DX ツールに育てたいとしている。同社では今回調達した資金をマーケティング活動への投資、営業・開発部門の採用活動の強化、カスタマーサクセスを中心とした人材採用に充て、さらなる機能開発や顧客ニーズへの対応に注力する。

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