リモートワークに商機「ビジネス向け」音声サービスたち/GB Tech Trend

500万ドルの調達を発表した「Spot Meetings」。Image Credit: Spot Meetings。

本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」掲載された記事からの転載

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今週の注目テックトレンド

音声SNS「Clubhouse」の登場により、ビデオ通話ではなく声だけの対話体験が一般に認知されました。コンシューマー市場での行動体験は、時期をずらしてビジネス市場へと応用される場合が多々あります。

今回取り上げる「Spot Meetings」もその一つです。同社は座りながらビジネス会議を行う従来のサービスとは違い、音声だけでハンズフリーに会議を行えるユーザー体験の実現を目指しています。5月20日には500万ドルの資金調達を発表しました

Spot Meetingsアプリ上では、音声アシスタント「Spot」がユーザーの音声コマンドを理解してタスク処理をしてくれます。たとえば「Spot Fetch」と言うと、コマンド後40秒の内容を録音して書き起こし、会議中メモとして保存しておいてくれます。また、会議参加者が共有できるノート機能も実装されており、会議アジェンダを事前に書き込んだり、発言録にコメントを足しておいて議事録としてシームレスにシェアできる動線も用意されているとのこと。

昨今、ビジネスシーン向けの音声プロダクトの活躍を徐々に聞くようになりました。たとえばSlack Fundから出資を受ける「Yac」が挙げられます。同サービスは非同期型の音声コミュニケーションツールです。アプリかウェブアプリをインストールして、同僚や上司に向かって録音メッセージを送り合う体験を実装しています。録音記録は手軽にシェアできる動線もあり、まさに「音声版Slack」としての市場ポジションを狙っていることが伺えます。同社は1月25日に750万ドルの調達に成功しています。

他にも現在ステルスで活躍する「Riff」や、Y Combinator出身でリアルタイム・コラボレーションツール「Tandem」もその一つとして数えられるでしょう。どんな場所・タイミングからでも気軽に参加できて、ミーティング参加後体験までしっかりと設計された音声系サービスが待望されています。

一般的に音声系スタートアップサービスは、「議事録作成」「音声書き起こし」などのキラー機能を謳う傾向にありますが、その点はZoomによってカバーされています。Zoomもマーケットプレイスを通じたAdd-Onサービスの導入により、その体験性を確実に強化しているためです。たとえばAI自動翻訳サービス「Otter.ai」との連携があれば、Zoom音声を高精度に書き出し可能です。AI翻訳の面においては、Spot Meetingsやその他各サービス以上のアウトプットを出せることでしょう。

そのためユーザー体験の刷新でしか戦える場所がありません。このユーザー体験が抜本的に変わるきっかけになったのが冒頭で紹介したClubhouseの登場です。コンシューマーの行動が変われば、その流れがビジネス市場へと流れ込むのは必然です。こうしたユーザー行動を軸にした市場変化を見逃さず、次のワーク・コミュニケーションツールとして支持されるべき、各スタートアップが活躍しているのが現在です。どこまで音声チャットがビジネス領域で市民権を得られるのかは未知数ですが、Clubhouseによって音声対話の良さを知ってしまった今、主要サービスの登場が期待されます。

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