投資組合の制限緩和で活気づき始めたエンジェル投資など——韓国スタートアップシーン週間振り返り(5月10日~5月14日)

本稿は、韓国のスタートアップメディア「Startup Recipe(스타트업 레시피)」の発表する週刊ニュースを元に、韓国のスタートアップシーンの動向や資金調達のトレンドを振り返ります。

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5月10日~5月14日、韓国のスタートアップが調達した資金総額は958.5億ウォン(約92.6億円)に達した。

主な資金調達

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  • ホームクリーニングサービス「Cleaning Lab(清掃研究所、청소연구소)」を運営する Life Lab(生活研究所、생활연구소)は、220億ウォン(約21.3億円)を調達した。同社は累計180万件の注文を受け、毎年200%の売上増を達成している急成長企業だ。
  • 40代や50代の女性をターゲットにしたファッションアプリ「Queenit(퀸잇)」を運営する Rapport Labs(라포랩스)は、55億ウォン(約5.3億円)の投資を獲得した。同社はサービス開始から8ヶ月で100万ダウンロードを達成し、40代~50代向けの代表的なEコマースプラットフォームに成長させる計画だ。
  • キャラクターエンターテインメントスタジオの StudioOrigin(스튜디오오리진)は、50億ウォン(約4.8億円)を調達した。同社は、投資によって世界市場をターゲットにしたキャラクター IP やキャラクターを開発し、2023年には本格的なキャラクター IP 事業を開始する予定だ。
  • ベトナムで宿泊施設向け O2O サービスを提供する GO2JOY(고투조이)は、40億ウォン(約3.9億円)を調達した。ベトナムでの宿泊事業を拡大していく予定だ。

トレンド分析

先週、100億ウォン(約9.7億円)の調達を発表した韓国のアクセラレータ FuturePlay(퓨처플레이)。左から:パートナーのソク・ジョンフン(석종훈)氏、代表のリュ・ジュンヒ(류중희)氏
Image credit: FuturePlay

韓国で運営されている個人投資組合の設立額が1兆ウォン(約966億円)を超えた。これは、2001年5月に個人投資組合の登録制度が施行されて以来、過去最高の金額である。エンジェル投資家もまた、韓国の第2次ベンチャーブームを牽引する役割を果たしており、ベンチャー投資額は毎年過去最高を更新している。

中小企業庁によると、個人投資組合が運営する組合ファンドは、今年3月末時点で1兆6,233億ウォン(約1,570億円)、2,300社に7,652億ウォン(約740億円)が投資されている。

個人投資組合とは、エンジェル投資家(個人)や法人がスタートアップやベンチャー企業に投資して利益を得るために結成した組合で、ベンチャー投資法に基づいて登録されている。個人でも法人でも協会を設立でき、49人以下で1億ウォン(約970万円)以上の投資をして5年以上運営することが条件となっている。

組合の数は増え続けている。これは、政府が制度の改善に努めているためである。政府は、第2次ベンチャーブームを起こすために、投資を促進する政策支援を強化している。

まず、2017年から法人が組合を設立できるようになった。その結果、アクセラレータも組合を作ることができるようになった。資金の50%を3年以内にアーリーステージの企業に投資することが義務付けられているアクセラレータは組合の設立を増やし、その結果、資金規模も大きくなった。また、2018年に個人投資の所得控除が拡大したことで、ベンチャー企業に投資するエンジェル投資家が増えた。エンジェル投資家は最大で3,000万ウォン(約290万円)を受け取ることができる。さらに、豊富な市場の流動性と投資要件の緩和が韓国のエンジェル投資を後押しした。

エンジェル投資家の典型的なプロフィールは、ソウルに住む45歳の男性で、金融関係の仕事をしている人が多い。投資先の上位は、ICT サービス、小売、バイオの順になっている。

ソーシャルオーディオプラットフォーム「SpoonRadio(스푼라디오)」は、エンジェル投資組合を通じて投資を受けることに成功した注目の企業だ。民間投資組合は2016年に3億ウォン(約2,900万円)を投資し96億ウォン(約9.3億円)を回収、実に32倍の収益を上げた。

政府は、第2次ベンチャーブームの普及を支援しつつ、協会の設立が増える中、投資家を保護するために GP の管理・監督機能を強化する方針だ。

【via StartupRecipe】 @startuprecipe2

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