AIビジネスマッチング「Yenta(イェンタ)」、人間関係を科学する「特性診断サーベイ機能」をリリース

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Image credit: Atrae

アトラエ(東証:6194)は30日、同社が提供する人工知能を用いたビジネスマッチングアプリ「Yenta(イェンタ)の大幅アップデートを行った。30日公開されたバージョン6系では、新たに「特性診断サーベイ機能」が導入された。これは、MBTI、ソシオニクス、BigFive といった社会心理学に基づいた科学メソッドを元にして、ユーザ自らの性格理解を支援するというものだ。ユーザは自身の診断結果を公開することで、他の Yenta ユーザの結果も閲覧できるようになり、より相性の良い人との有意義なコミュニケーションが促進される。

Yenta は、毎日正午にビックデータ解析を元にした「10人のビジネスパーソンのプロフィール」が届き、「興味がある」と選択した人同士がマッチングできるサービス。マッチングが成立した相手とは、アプリ上でメッセージをやり取りすることができ、ランチタイムなどの時間を調整し、直接、情報交換などの交流ができる。昨年2月にアップデートされたバージョン3系からは「タイムライン投稿」機能が実装され、5月にアップデートされたバージョン4系からは「テレポート機能」で地域を超えた出会いが可能になった。リリースから5年を経て、累計マッチング数が400万件を超えている(ユーザ数は非公開)。

特性診断サーベイ機能を活用することで、ユーザは「メンターとして相性がいい人」「ブレスト(ブレインストーミング)パートナーに最適な人」「起業するならこのタイプとの人と相性がいい」など、関係性を見ながらマッチングや出会いを増やすことができる。また、自身の SNS の友達の中から人を選んで、その人と似た特性を持った Yenta ユーザを検索したり、マッチングしたりすることができるようになるため、例えば、同じ会社で活躍しているエンジニアに似てる人といったような探し方も可能となる。

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Yenta の開発を統括するアトラエ取締役の岡利幸氏は、BRIDGE の取材に対し次のようにコメントしている。

Yentaとしては、どんな人がどんな仕事をしていて、Yenta 上でどんな行動特性を持っているのか? 誰と誰が会う満足度が高いのか? どんな会社にどんなタイプの人が多いのか? 年代によって傾向は違うのか? など、人の特性と人の集合体である組織の傾向の分析などを進めていき、Yenta のマッチング技術やUXをさらに進化させていく狙いがあります。

ポジティブコンピューティングとか、ウェルビーイングとか、幸福経営などの言葉がビジネス界にも出てくるようになっている昨今、ビジネス領域のマッチングアプリとして、特性とか関係性とかコミュニケーションなどの科学を取り入れて、人の成長、ビジネスの成長、出会いや対話のきっかけをデザインしていくことで、社会全体を活性化していけたらと思っています。

なお、今回のバージョンアップとあわせ、アトラエは Yenta の個人向け料金プランを一部刷新することも明らかにした。これまでは、マッチングした相手にはいつまでもメッセージが送れる仕様だったが、アップデート後は、マッチングしてから2週間はメッセージが送れるが、それ以上メッセージが往復していない状態が続くとメッセージが送れなくなり、有料プランになると、誰でも送れるようになる仕様に変更する。

人には特性があって、その特性に合った人、情報、モノなどをマッチングさせていけると、人やビジネスの成長に大きな影響を与えられるでしょう。ダイバーシティ、組織の作り方、人間関係、社会関係資本など、これからの社会や組織のあり方について、人のつながりや対話のデザインなどが注目を集めてきている今の時代。人と人との関係性を科学するアプローチは、注目していい取り組みの一つだと思っています。(岡氏)

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