
Image credit: iStoreiSend
マレーシアとシンガポールを拠点に、e コマース向けのフルフィルメントをサービスを提供するスタートアップ iStoreiSend は26日、KURONEKO Innovation Fund(GP: グローバル・ブレイン、LP: ヤマトホールディングス)から資金調達したことを明らかにした。調達額は非開示。本ラウンドは同社にとって、今年1月に実施した Gobi Partners と「EasyParcel」からの調達(550万米ドル)に続くものだ。
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iStoreiSend は2015年11月、Joe Khoo 氏と Tommy Yong 氏の2人のマレーシア人起業家により創業。2人は小学校の時代から20年来の幼馴染だという。e コマースが急成長を続ける中、物流、決済、カスタマーサービスなど中小企業が事業拡大する上で課題解決になる方法を考え、e コマースエネイブラー/フルフィルメント事業に着手することにしたという。
同社は現在、マレーシア、シンガポール、インドネシアで、EC サイト構築・運営から受注管理、倉庫作業、配送までを自社システムで統合・管理できるフルフィルメントサービスを提供している。まもなくタイとフィリピン、来年にはベトナムへの進出する計画だ。現在、30以上の外資系日用消費財(FMCG)ブランド、約300の現地 D2C ブランドと取引関係にある。
iStoreiSend は特に、D2C を始めとした海外ブランドが東南アジアで事業展開する上での、さまざまなサービス提供を強みとしている。今回の KURONEKO Innovation Fund からの調達を戦略的出資と位置付け、同社ではヤマトホールディングスを通じて、日本のブランドの東南アジア進出なども支援していきたい考えだ。
この分野は、昨年インドネシアの SIRCLO がフルフィルメントソリューションの ICUBE と合併、フィリピンでは今年5月、Great Deals がシリーズ B ラウンドで3,000万米ドルを調達するなどホットな領域だ。タイの aCommerce は年内の IPO で2億米ドルの調達と目指しているとされる。
マーケティングなど単一機能に傾倒したエネイブラーが増えている中、iStoreiSend ではすでに4カ国に29の倉庫を保有するなど、豊富なオペレーションリソースを武器に東南アジアへのブランド進出を強力にサポートしていきたい、としている。
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<参考文献>
- The key ecommerce logistics players and enablers in Southeast Asia(Tech in Asia)
- Emerging Startups 2020: Top E-Commerce Enablers(Traxn)
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