浮き足立った「2.5億円シリーズA」と苦悩ーーMiddleField・中山翔太さん × フェムトパートナーズ・曽我悠平さん【Monthly Pitch ポッドキャスト】

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本稿はベンチャーキャピタル、サイバーエージェント・キャピタルが運営するサイトに掲載された記事からの転載

起業家と投資家の関係はこの10年で随分と変化しました。スマートフォンシフトといったトレンドの変化、Y Combinatorなどの登場でシード投資のハードルが一気に下がり、投資サイド・起業家サイド共に大きく数が増えたことが大きな要因です。特にシード期から志を共にするような場合、その関係は十数年に及ぶこともあります。事業における最愛のパートナーたちはどのようにして出会い、成長し、そしてその後の関係はどのようなものになるのでしょうか。

シード投資を長年に渡って手がけてきたサイバーエージェント・キャピタル(CAC)では、この「投資家と起業家」の関係に注目した連載を開始します。毎月開催される「Monthly Pitch」にこれまで参加してくれたキャピタリストと創業者のお二人をお招きし、出会いのきっかけや乗り越えたハードル、関係構築のポイントなど、ここだけでしか聞けない裏話を語っていただきます。

今回のゲストはカーパーツのEC「モタガレ」を展開するMiddleField代表取締役の中山翔太さんと、ごく初期から支援しているフェムトパートナーズのジェネラルパートナー、曽我悠平さんにお越しいただきました。モータースポーツという、テック・スタートアップからやや遠い業界から起業を選択した中山さん。創業期は文字通り「右も左も」分からない状態だったそうです。そんな中山さんは国内で厚みを増したスタートアップ・エコシステムの恩恵を受け、あるきっかけからインキュベーションプログラムに参加することになります。

そこで出される課題をクリアする内に、徐々にサービスのイメージや骨格が出来上がり、投資家たちのバトンはやがてフェムトパートナーズに渡ります。ミーティングしてすぐに掴んだシリーズAの切符、2.5億円という大型出資に浮き足立つ若きスタートアップチーム。その後の成長痛を乗り越えてのシリーズBへの挑戦。中山さんとベテランの曽我さんの二人三脚のお話は、これからスタートアップする「異業種」の起業家にとってとても参考になる内容になるかもしれません。(ポッドキャスト収録の一部をお送りします。太字の質問はMonthly Pitch編集部)

ーフェムトさんの付き合いは長いと思うんですけど、曽我さんと中山さんはどうやってお会いになられたんですか

曽我:2017年の夏くらいだと思いますが、もともと入ってらっしゃった既存のエンジェル投資家の方と我々が知り合いでして、ご紹介いただいてお会いしたのが最初だったと思いますね

ーサービススタートから一年ぐらいでシリーズA。シリーズAは超えるのが難しいと思うんですけれども、ポンと2.5億円と、かなり高い評価をされました

曽我:我々は2013年からやっているベンチャーキャピタルでして、シード・アーリーステージから継続して投資をしていくという投資スタイルをとっています。基本的に億円単位というようなある程度まとまったお金を「これはいけるだろう」という方々に投資させていただき、その後も継続してやっていくというコンセプトでやっていますので、金額的には大きいですが、我々としては大体そういう投資をしているかなというところですね。

ー初めてのシリーズAというタイミングでこの大型の出資を受けられた時、かなり手応えを感じたんじゃないですか

中山:手応えもうそうなんですけど、浮足立ちまして(笑)フェムトさんは本当に早くて。プレゼンをした後すぐに連絡をいただきました。そこから継続してコミュニケーションをとらせていただくんですけど。とにかくそこの判断が早くてですね。しかも、すぐに「可能性あるよ」っていう風に言ってくれたので非常に心強かったですね。

ー創業期の時のお話について聞かせてください。フェムトのチームと出会う2017年までのお話ですね。中山さんはもともとアフターパーツメーカーのお仕事をされていて創業される訳なんですけれど、スタートアップする時に、エンジェルだったり投資系の人たちだったり、どなたか相談する相手はいましたか

中山:相談する相手ができたのは起業してからですね。そもそもレーシングチームから起業する人が周りにいないですし、正直やり方も分からなかったので最初はグーグルで「起業 やり方」みたいに調べたりしていました(笑)

その後、個人で会社をやっている友達に行政書士を紹介してもらって登記して、よし、ITで車業界でやってくぞ、みたいな感じで始まったんですけど。全然分からなかったのでとにかくグーグルでいろいろと調べていったら、なんか「スタートアップ」っていうのがあるぞ?と。スタートアップという言葉すら知らなかったので、なんだろうと思って調べていくと、僕より若い人たちが資金調達して会社を大きくしていると。調べていくうちにReality Acceleratorの郡さんのブログに出会い、Facebook経由で連絡しました。個人でメンターをしているということだったので、そこに入れてもらうところから始めました。

ー「スタートアップ 起業」で検索するのは起業する方あるあるですね(笑)

ーーーポッドキャストではそのほかのエピソードも語っていただいています。シード期の起業家が投資家とどのようにコミュニケーションしたのか、ぜひお聞きください。

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