全国の動物病院と連携、犬や猫の健康を見守るウエアラブルデバイス「PetVoice」がマクアケに登場

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家でペットを飼っていて、様子がおかしい、病気かもしれないというときには、動物病院に連れて行くことになる。明らかな症状が認められる場合、獣医は適切な診断を行え、それに応じた治療や投薬を施すことになる。しかし、厄介なことに、動物は人間のように身体のどのあたりが不調、などと声をあげてくれるわけではない。獣医は家での様子を飼い主に尋ね、さまざまな病因の可能性を推測するが、責められるのを恐れた飼い主が正直に応えてくれなかったり、伝えられる情報が正確でなかったりすることもしばしばだ。

自身も保護猫を飼う深田篤氏(現 CEO)が、声なきペットの声を可視化しようと「PetVoice」を着想したのはそんな理由からだ。深田氏は、以前はソニーで Xperia の開発に従事していた大城啓吾氏(現 CTO)とクラウドワークス上で出会い、首輪に装着するだけで犬や猫の体温、垂直・水平方向の移動量を計測できるウエアラブルデバイス開発にこぎつけた。犬や猫の健康状態は直腸温を用いて判断することが多いが、PetVoice では首輪のデバイスから直腸温を推定できるアルゴリズム(特許出願中)を実装しているという。

ウエアラブルデバイスである「PetVoice Core」と据え置き型「PetVoice Home」の2つで構成されたシステムは BLE(BlueTooth)で接続されており、Core で取得されたデータは Home から WiFi 経由でクラウド上にアップロードされる。クラウドに上がったデータは、飼い主やかかりつけ獣医がダッシュボードで確認することができる。Home は Core の充電の機能を持っているほか、室温や湿度のモニタ、エアコンのリモコン制御もでき、留守中のペットのために遠隔操作も可能だ。

トイレの回数、食事の状態、水飲み回数などの行動が見える化される。関節炎であれば活動量に変化が見られるし、皮膚病であれば毛繕いが増えるし、病気を患っている場合に見られる多くの行動変化を捕捉することが可能だ。(深田氏)

PetVoice では多くのペット飼い主にサービスを使ってもらうため、月額1,500円とサブスクでエントリハードルを下げた(衛生上の理由から、ペットの身体に直接触れるウエアラブルデバイスを入れるための首輪のみ買い切りとなる)。全国の動物病院と提携し、診療や治療後のペットの行動観察をフォローするためのツールとして、飼い主に紹介してもらうことで普及を図る。動物病院は日本全国に12,000軒あるが、うち150軒はすでに PetVoice を取り扱っていて、さらに150軒が PetVoice の活用に関心を占めているため、統計上、PetVoice は全国の動物病院の2.5%(40軒に1軒)にリーチできていることになる。

PetVoice は今日13時からマクアケでの資金調達を開始したが、開始から約1時間を経過した本稿執筆段階で、すでに目標額の2倍額を突破している。このクラウドファンディングのキャンペーンでは、PetVoice を(サブスクではない)売り切り型でデバイスやサービスを永年利用できるメニューを割引価格で提供している。マクアケでのキャンペーン終了後は、動物病院・獣医経由でのサブスク展開に加え、PetVoice 自社サイトでの直接販売も始める計画だ。

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