シンガポール発エビ培養肉開発のShiok Meats、ブリッジ資金を調達——韓国「配達の民族」や日本の東洋製罐HDらが参加

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Shiok Meats のチーム。中央の2人左側から Sandhya Sriram 氏、Ka Yi Ling 氏。
Image credit: Shiok Meats

シンガポールを拠点にエビ培養肉を開発するスタートアップ Shiok Meats は21日、韓国のフードデリバリ「配達の民族(배달의민족)」を運営する Woowa Brothers(우아한형제들)、CJ 第一製糖、ベトナムの水産物輸出トップ Vinh Hoan から戦略的出資を受けたことを明らかにした。ブリッジラウンドで、昨年9月に実施したシリーズ A ラウンドに続くものだ。同社は累積調達額が約3,000万米ドルであることを明らかにしているため、過去ラウンドを考慮すると、本ラウンドでは約1,000万米ドルを調達したと見られる。

今回ラウンドには、IRONGREY(グローバルなテック企業に投資する韓国のファミリーオフィス)、Big Idea Ventures(アメリカ/シンガポール)、Twynam Investments(オーストラリア)、Henry Soesanto 氏(Monde Nissin の CEO)、The Alexander Payne Living Trust(アメリカ)、Beyond Impact Vegan Partners(ヨーロッパ)、Boom Capital Fund(アメリカ)、東洋製罐グループホールディングス(日本)、Mindshift Capital(アラブ首長国連邦)などの既存投資家も参加した。

Shiok Meats は、Sandhya Sriram 氏と Ka Yi Ling 氏という、シンガポール科学技術研究庁(A*STAR)に在籍していた2人の幹細胞研究者によって2018年8月に設立された。主力製品はのエビの細胞培養肉で、ShiokMeats は、エビ養殖に代わるクリーントレーサビリティの高い代替品になる可能性があると説明している。Shiok Meats によれば、世界のエビ市場は500億米ドル規模で、ベトナム、タイ、インドネシア、インドが主な生産国となっている。

Shiok Meats のエビ細胞培養肉を使って作られた料理。
Image credit: Shiok Meats

Shiok Meats は、クリーンな食肉を生産することで、これらの問題に対処することを目指しており、業界の温室効果ガス排出量を96%、エネルギー消費量を45%、土地使用量を99%、水の消費量を96%削減できるという。アジア太平洋地域の消費者をターゲットに見据えており、餃子やその他のエビを使った料理用のエビ細胞培養肉の他、エビ風味ペーストやパウダー、完全成型の 3D エビ、カニ細胞培養肉を使った製品を今後数年のうちに発表する計画だ。

同社は2019年には初の細胞培養肉のエビ、2020年にはロブスターの試作品を独占試食会で発表した。同社は現在、30人以上の科学者、エンジニア、食品技術者、ビジネスの専門家を雇用しており、遅くとも2023年までにはシンガポールでの発売を予定している。同社では今回の回の資金により、研究開発を進め、シンガポールに最先端の生産施設を建設する計画だ。最終的には、2050年までに100億人に食糧を供給できるようにすることを目指すという。

Shiok Meats は昨年7月、同じく細胞培養肉開発スタートアップである日本のインテグリカルチャーと共同研究の開始を発表している。SDGs の3つの項目(8. 働きがいも経済成長も、13. 気候変動に具体的な政策を、14. 海の豊かさを守ろう)の観点からもエビ養殖のあり方を根本的に考え直す取り組みはアジアを中心に活発化しており、日本のウミトロンが世界最大のエビ養殖事業者である CP Foods(タイ証取:CPF)とオートメーション技術による「次世代サステナブル海老養殖モデル」の実現に向け提携していた。

<参考文献>