ノーコードでWebやアプリのテストを自動化「Magic Pod」、シリーズAで3億円を調達——STRIVE、Angel Bridgeから

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TRIDENT のメンバー。中央が代表取締役の伊藤望氏。
Image credit: Trident

AI を使った UI テスト自動化プラットフォーム「Magic Pod」を開発・運営する TRIDENT は7日、シリーズ A ラウンドで3億円を調達したことを明らかにした。このラウンドには、STRIVE と Angel Bridge が参加した。同社にとっては、2018年8月に実施したインキュベイトファンドからの1,000万円の調達、2020年4月に実施したインキュベイトファンドと、ソフトウェアテスト大手ベリサーブからの5,000万円の調達に続くものだ。

TRIDENT は2012年7月、ワークスアプリケーションズ出身で「日本 Selenium ユーザーコミュニティ」の運営などを行う伊藤望氏により設立。設立当初から、Web アプリケーション UI テストツール「Selenium」を使ったコンサルティングを行ってきた。Selenium の導入により、Web アプリの UI テストに要する稼働や手間はかなり軽減されるが、それでも一定のプログラム作成スキルや環境構築が必要になる。Web サイトの構成が変更されれば、テスト項目の修正も必要になる。

Image credit: Trident

MagicPod は、ノーコード・ローコードで自動テストを実現させるサービスだ。ディープラーニングが採用されており、アプリケーションの画面画像をスキャンし、入力項目の種類やラベルを自動判別、テストスクリプトを自動生成する。Selenium 同様に、Record & Playback 方式(ユーザの操作を記録し、それをそのまま実行)で自動テストができることから、開発者だけでなく非エンジニアでも簡単に利用できるのが特徴で、現在500社以上が利用している。

Magic Pod の特徴として、伊藤氏はデスクトップ用の web アプリのみならず、モバイル向けの web アプリやネイティブアプリのテストにも対応していることを挙げた。長年の UI テストに関わる経験を踏まえ機能も充実させていく考えで、今回調達した資金の使途としては、「現在社内にいるのはエンジニアがほとんどなので、エンジニア以外の人材の採用を進めていきたい(伊藤氏)」とのことだった。

Image credit: Trident

この分野ではアメリカの mabl、SmartBear、Tricentis、Eggplant などが先行していて、TRIDENT に出資するベリサーブも今年2月から mabl の販売やサポートを提供している。シンガポールの UI-licious は今年3月にプレシリーズ A ラウンドで150万米ドルを調達、また、国内スタートアップでは Autify は一昨年250万米ドルを調達し、モバイルアプリのテスト自動化や実機テストに向けたサービスを今秋ローンチすることに言及している。

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